発生・定着の経緯
2ちゃんねる用語は、多くの場合は誰かが意図的に広めようとして広まったものではない。
各用語が作られた背景になんらかの意図があると詮索すると、たいてい失敗する。
多くは単にナンセンスを楽しむ感覚である。
ナンセンスを楽しめる感覚がなければ、2ちゃんには入っていけない。そもそも2ちゃんの全体からしてナンセンスな雰囲気がただよっているといえる。
2ちゃんねる用語はたいていの場合、ちょっとしたタイプミスや読み間違い、面白い機転などから生まれる。例えば、「ガイシュツ」という言葉は、「既出」を「概出」と読み間違えてかな書きしていた者がいて、その筆者の無知をあげつらうためというよりも無知を楽しむぐらいの気分で、他の者がわざと使用したことから始まる。これは既に定番の言い換えとして定着しており、今では既出が使われるほうが稀なほどである。
その他にも、韓国の国会議員が教科書問題に対する抗議として国会議事堂の前で座り込んだ際に「日本は反省しる!」と誤字のプラカードを掲げていたことから、この誤字が2ちゃんねらーの間でうけて、「しろ」を「しる」と書くようになったというものや(参考:2典「日本は反省しる」)、WinMXの違法共有によって逮捕されたとされる人物が逮捕直前に2ちゃんねるに「もうだめぽ」と書きこんだことから広まったものなどがある(参考:2典「もうだめぽ」)。
しかし、2ちゃんねると一口に言っても掲示板は無数にあり、別に利用者はあちこちの掲示板にとびまわっているわけでもない。したがって、全ての用語が全ての掲示板に浸透するわけでもない。
2ちゃんねる用語が2ちゃんねる中で定着するには、「語感のよさ」「よく使う言葉」「言葉自体の面白さ」などいくつかの条件が必要であると考える人もあるが、一般化は無理であろう。
顔文字やAAとセットになっていたり、Flashが作られたりした場合には、より広がりやすくなるという傾向が見られる。
また、当て字の中にその事象の実態が込められて居るような場合にも、共感して受け入れられやすい。例えば(非常に限定した分野だが)東京を「盗凶」「逃怯」などと書く例である。これなど、他の掲示板のヤシには何のことかさっぱりわからないであろう。しかし、こういった書き方は、他人に理解不能な記述になってしまい、センスがないと云う冷酷な評価が下る恐れのある両刃の剣でもある。
文法
文法とまでいいきると大げさすぎるのだが、
2ちゃんねる用語の中には、独特の文法規則に則って使われる用語がある。
「まったり」が「またーり」となるように、2文字目の促音が3文字目で長音化するという規則や、前述の「もうだめぽ」から派生して「ぽ」が終助詞として用いられる場合などがある。
用語
運営やシステムに関する言葉
- キャップ
- 削除人などが名前欄に用いることのできる「★」など、特定のパスワードを入れないと現れない文字列のこと。
- 名前欄に他人の名前を入れて他人になりすます「騙り行為」を防止するために導入された。名前の由来は「騙り防止」→「ぼうし」→「キャップ」。
- トリップ
- キャップだと管理人ひろゆきがいちいちパスワードを発行して管理しなければならなかったので、あまり多くの人には与えられなかった。
- そこで、名前欄に「#」に続けて好きな文字列を打ち込むと、そのキーごとに違った文字列が表示されるというシステムになった。これをトリップという。
- 名前◆3SHRUNYAXA などのように表示される。名前の由来は「一人用キャップ」→「トリップ」。いわゆる、コテハンである。
- fusianasan(フシアナサン、フュージャネイサン)
- 名前欄にfusianasanと書き込むと、書き込んだ人のリモートホストが代わりに表示される。騙り防止で使われるもの(?)。たいていの場合は2ちゃんをよく知らないものを騙してリモホを晒す遊びに使われるのみである。
- sage
- 2ちゃんねるはスレッドフロート型掲示板で、あるスレッドに書き込むとそれが最上位に移動するが、メールアドレスを書く欄(メール欄)にsageと書き込むと、そのスレッドの位置を変えないで書き込むことができる。sageる、サゲる、とかの言い方もされる。
- あぼーん
- 投稿が削除された跡に表示される言葉。ここから転じて、何かが廃止されたり、不謹慎ながら人の死亡などの場合にも用いられることもある。
誤変換などから生まれたもの
- 厨房
- 幼稚な発言や行動を行う者に対する蔑称。中学生=中坊から転化した。類似語に工房(高坊=高校生)消防(小坊=小学生)がある。
- 香具師、工具師、ヤシ(やし)
- 奴(やつ)の意。
- すくつ
- 巣窟(そうくつ)を読み間違えたもの。
- 漏れ
- 「俺」の意。「俺も俺も」と入力する際に「俺漏れも」とキーを打ち間違えたことから。
- がいしゅつ、外出
- 説明はすでに上の段落にがいしゅつだが(笑)、既出(きしゅつ)を読み間違えたもの。
略語
- (藁)
- (笑)、wなど、笑っているという感情を示す記号。他の記号に比べて嘲笑という意味合いが強いので利用には注意を要する。
- ぬるぽ
- プログラミング言語の一つであるJava言語における例外「NullPointerException」の略。ただしこの意味で使われることは少なく、その場を茶化したいときに特に意味もなく書かれる場合が多い。
- コピペ
- 「コピー&ペースト」の略。これも特に2ちゃんオリジナルともいえない。既存の文字列をクリップボードにコピーし、それを別の場所に貼り付ける(ペースト)こと。いちいち書くのが面倒である定型文やアスキーアートなどはコピー&ペーストされることが多い。
- 通常コピー&ペーストされるような、ある程度の長さとまとまりを持った定型文のこと。例えば「昨日、近所の吉野家行ったんです。吉野家。」で始まる「吉野家コピペ」は特に有名。
- このような定型文も2ちゃんねる用語そのものと同様、意図的に流行らせようとして流行らせられるものではない。(例外として、「25歳。 去年まで金無し君だったけど、」で始まるコピペのように、サイトの宣伝文句としていたるところに貼られた結果広まるものもある。)
- 元々は誰かのふとした書き込みであったり、個人サイトのコンテンツだったりしたものが、その内容や口調・展開が面白いからと多くの人にコピー&ペーストされ各所に貼られるうちに、自然と広まって定着する。また、フラッシュがあることでさらに広がりが加速する。
- コピペにはまた、改変(言い回しはそのままで、細かい名詞を変更したり登場人物を変更したりして面白さを出すような編集。また、既存の異なるコピペをうまく融合させるような改変もある。)がつき物である。2ちゃんねる内の「ガイドライン板」では日々コピペの改変が行われ、コピペ職人とよばれる人々が改変にいそしんでいる。
- 関連サイト:コピペ大辞典(仮)
その他
- オマエモナー
- アスキーアートのキャラクターモナーの最も有名なセリフ。正義漢を気取った発言などに対して、冷めた目で「人のふり見て我がふり直せ」という意味で投げかけられる。
- 逝ってよし
- アスキーアートキャラクターギコ猫のセリフが発祥。「ギコ猫」はこのような毒のあるせりふを吐くキャラクターと見なされている。誰かの書き込みに対して反感を持った場合に「死ね」という言葉を投げかけることは「脅迫」になるという考えから、同じ発音の「氏ね」を用いたり、「逝ってよし」(死んでもらって結構です)という言い換えが行われた。現実にはそれほどの重い意味はなく、この言葉の出現自体が定番ギャグ化している。
- 珍走団
- 暴走族という呼称を「かっこいい」と考える人々を幼稚だとして揶揄することや、迫力のない名称によって参加者を減らすことを目的として2ちゃんねるの「ちくり裏事情板」で考案された用語。
「暴走族」「ゾク」などの既存の呼称に「ワルっぽくてかっこいい」といった憧れの態度を見出し、それが暴走族への参加を促進し根絶を阻んでいると捉え、この情けない呼称と対比することによってその幼稚さを揶揄し、参加者減少に繋げたいという期待が込められている。
2003年4月の福岡県警により作製された暴走族対策ポスターでは、「最近は珍走団って言うらしいよ」というコピーが作られた。
- プロ市民
- 一般市民を装い市民活動と称して政治的・営利的な活動を行う者を指す隠語、蔑称。
- DQN
- 暴走族などの、社会的に有害もしくは何の意味もなさない人々のこと。低学歴者の意味(厨房と同様)で使われることもある。ドキュン、ドキュソとも表記する。テレビ番組「目撃!ドキュン」の出演者のように、哀れな生活をしている人々のことが語源らしい。
外部リンク