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武士の起源については、従来は新興地方領主層が自衛の必要から武装した面を重視する説が主流であったが、近年は清和源氏や桓武平氏のような軍事貴族が起源であり、彼らが平安後期から地方領主と結びついて所領経営者として発展していったとみる説が有力である。
武士は当初、「侍」に象徴されるように天皇・貴族の警護や紛争の鎮圧を任とする階層であったが、平清盛政権を経て鎌倉幕府の成立に至り、旧来の支配権力である朝廷・国司・荘園に対して全国の軍事・警察を担う公権力に発展した。また、個々人の武士が国司・荘園領主として地方の政務を担う局面も拡大していった。
室町時代・戦国時代・安土桃山時代を経て江戸幕府成立に至る過程で、次第に武士が公権力を担う領域は拡大し続けた。江戸時代以降は社会の全てを覆うようになり、元来軍人・「武官」であった武士が「文官」として働くことが多くなった。江戸時代以降の武士は、軍事から文化へと活躍の場を移っていくことになる。
そのために肉体よりも精神の修行に趣を深めることになり、儒教道徳と結びついた武士道が発展し、信・義・忠を重んじ、気高い振る舞いを美徳とするようになった。それに固執するあまり、プライドだけが非常に高くなった者もいる。
また、安定期であった江戸時代を通じて形成されたそうした武士道、武士の倫理は、近代の日本においても大きな影響力を持った。一方では、大日本帝国の軍人が持つべき倫理と接合して、軍人の倫理の骨格をかたちづくり、また一方では、耽美的な武士の美学として文学や芸能の世界でさまざまなかたちとなってあらわれた。