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性別

性別(せいべつ)は生命体の生殖特性を指す。通常雄(オス)、雌(メス)と言う。人間では特別に「男性」、「女性」と称する。植物にも性別を持つものがあり、被子植物がそうである。

人間の場合は、生物としての性別を核としながら、男女は精神的・文化的に、あるいは社会的な立場としても異なったものとして成長する。この意味での性の別を生物学的なそれとは区別してジェンダーと呼ぶこともある。

Table of contents
1 人間の性別分化
2 参考文献

人間の性別分化

人間の性別は、根本的には男性化を促す遺伝子の有無に由来し、受精の瞬間にほぼ決定される(他の生物種ではそうでないこともある)。

人間の生物学的原型は女性である。胎児期に男性化の引き金となる遺伝子が正常に作用すると、女性としての発育が停止し、身体を男性に作り替える機能が働き出す。 このような作用が起きなければ、胎児は自然に女性として誕生する。

ここでは主に性別分化の発達機序を追いながら説明し、非典型例についても触れることとする。

染色体

人間の23対の染色体のうちの1対は性染色体と呼ばれ他の常染色体とは区別される。

この性染色体の型(X染色体Y染色体の組み合わせ)によって、性別発達の機序は大きく左右される。 これは、Y染色体の上に、女性化を抑制し男性化を促すきっかけとなるSRY遺伝子が載っているためである。

性染色体の型としては、次の2つが典型的である。 ;XX型

性染色体としてX染色体を2つ有する。通常、女性として発育する。
;XY型
X染色体とY染色体をそれぞれ1つずつ有する。通常、男性として発育する。

非典型的な例として、次のようなものがある。これらの多くは、精子・卵子の生産時に減数分裂に失敗したことによる。 ;XO型(ターナー女性, ターナー症候群)
性染色体としてはX染色体を1つだけ持つ。まれに破損したY染色体のかけらを持っていることもある。発生率は2000人~3000人に1人である。
発現形質は女性であり、外性器に形成変異はない。
全体に低身長であり、月経不順などがあることもある。腫瘍・糖尿病の危険性が高い。
;XXX型
X染色体を3つ持つ。発現形質は女性。多くは異常はない。
;XXY型, XXXY型, XXXXY型 (クラインフェルター男性, クラインフェルター症候群)
過剰なX染色体を持っている。発生率は1000人に1人。
多くは発現形質は男性であり、外性器はほぼ正常な男性に見える。無精子症のため不妊。思春期に乳房が発達することもある。
骨粗鬆症になりやすく、女性の更年期障害に似た症状を呈することもある。
;XYY型
Y染色体が過剰である。発生率は1000人に1人。
外性器は完全に男性であり、生殖能力もある。XY型男性に比べて精子が少ないという説もある。
;XX型男性
性染色体はXX型であるが、変異したY染色体のかけらが他の染色体に結合し、その上のSRY遺伝子が働いている。発生率は数十万~数百万人に1人と見積もられている。
外性器はほぼ男性であるが、尿道下裂が見られることもある。生殖能力はない。
思春期には女性としての二次性徴をすることもある。性ホルモン投与により男性化を促さなければ、次第に女性化していく。
;カルマン症候群
X染色体の一部が欠損している。嗅覚に異常が見られる。
;モザイク型
通常、個体の全ての細胞は全く同一の遺伝子セットを持っているが、まれに細胞ごとに異なっている場合がある。これが性染色体に関して発生すると、XO/XY混在型, XO/XX混在型などとなる。
クラインフェルター男性のうちの特殊なものとしてXY/XXY混在型があるが、彼らは精子を生産することができ、生殖能力を有する。
3種類以上の性染色体型が混在している場合もある。
極めてまれであり、その状況も多様であるため、発生率は不明である。

なお、X染色体は生命維持に必須であるため、YO型(Y染色体1つのみを持つ)の個体は存在しないと考えられている。過去に発見された例はない。

また、上ではSRY遺伝子を重視して述べたが、Y染色体上の他のいくつかの遺伝子も男性化の引き金として重要だという説もある。

性腺

妊娠第4週ほどに卵黄嚢に発生した原始生殖細胞は、第6週には下腹部の生殖隆起に移動して原始生殖腺を形作る。この時点では原始生殖腺は精巣にも卵巣にもなりうる。

第7週になって、SRY遺伝子が存在して正常に機能する場合には性腺原器は精巣に分化する。

同遺伝子が存在しなかったり正常に機能できないために精巣への分化が起こらないままであると、第11週以降卵巣に分化していく。

この際、多数の因子とその受容体が作用しているので、何らかの障害により精巣決定性遺伝子の有無と性腺分化が食い違うこともある。上に挙げたような染色体変異により、精巣と卵巣の中間的な形に分化したり、2つの原始生殖腺のうち一方は精巣に他方は卵巣にと分化することもある。

化学物質生産

精巣が形成されると、その中のライディヒ間細胞は活発にテストステロンを生産し、セルトリー細胞はミューラー管抑制因子を生産する。

卵巣は、エストラジオールなどを生産する。

生殖細胞

原始生殖腺が精巣に分化した場合、原始生殖細胞は思春期まで休眠する。 思春期になると、これらは活発に分裂を始めて精子を生産する。

卵巣に分化した場合、妊娠第3ヶ月から7ヶ月にかけて原始生殖細胞は減数分裂を始め、一次卵母細胞が作られていく。ここから9ヶ月までの間に原始卵胞が形成され、原始卵胞は思春期まで休眠する。

思春期までに99.9%の原始卵胞は卵胞閉鎖する。残ったもののうち、いくつかが月経周期ごとに何らかの機構によって選択され成長し、その内の1つがグラーフ卵胞へと成長して排卵を起こす。

この機構が卵巣や脳下垂体の間のフィードバックによって調整される種種の化学物質に支配されていることは知られているが、詳細な機構は不明な点が多い。

生殖管

性腺形成と平行して、中腎管(ウォルフ管)に沿った形で中腎傍管(ミュラー管)が形成される。妊娠第7週以降、性腺の分泌する物質に依存してこれらの管が生殖管に分化していく。

典型例は次の2つである。 ;性腺が完全に男性型(精巣)である場合

テストステロンによってウォルフ管は発達を促され、精巣上体・輸精管・精嚢に分化する。
また、ミュラー管抑制因子によってミュラー管は退化・消失する。ただし、一部は精巣輸出管となり、ウォルフ管に開口する。
;性腺が男性型でない場合
テストステロンが十分でないことによりウォルフ管は退化・消失する。また、ミュラー管抑制因子が存在しないので、ミュラー管は発達し子宮・輸卵管に分化する。
このことから、女性の内性器分化に卵巣は直接的には必要でない。

非典型例としては次のような場合もある。

外性器

外性器の分化はテストステロンの有無に従う。原始生殖腺が精巣に分化してテストステロンを生産している場合には男性型に、そうでない場合には女性型に分化する。 ;テストステロンのある場合
テストステロンは酵素によって還元されジヒドロステロンとなる。それに曝露された外性器は第10週から第12週にかけて男性型に分化する。
生殖結節は急速に発達して亀頭・陰茎となり、生殖隆起は癒合して陰嚢に、尿道ヒダは尿道海綿体となる。
陰嚢に見られる縫い目状のものはこの癒合の痕跡である。
;ない場合
ジヒドロステロン曝露が起こらないまま第20週になると、これらは自然に女性外性器へ変化する。生殖結節は僅かに発達して陰核に分化、生殖隆起は大陰唇、尿道ヒダは小陰唇をとなる。
また、尿生殖洞の上皮がミュラー管由来の子宮管と結びついて増殖、内部に空洞を生じてが形成される。
これより、女性外性器の形成に卵巣は必要でない。

非典型的な例としては、次のようなものがある。 ;染色体異常
染色体異常により、生殖結節が活発に増殖する一方で生殖隆起の癒合は十分に起こらない場合がある。外見上男女両方の外性器を有するように見える。
性染色体はXX型であることが多いがXX/XYモザイク型の場合もある。膣の形成は十分でないことが多い。
;女性仮性半陰陽
性腺が卵巣に分化した場合であっても、先天性副腎皮質過形成などによってテストステロンが過剰に分泌され、結果として外性器が男性化する場合がある。
陰核がやや肥大する程度のものから、外性器が完全に男性型になるものまで多様である。尿道下裂がみられる場合も多い。
;男性仮性半陰陽
性腺が精巣に分化した場合であっても、テストステロンを還元する酵素が欠けていたり、受容体が十分でない場合には外性器の男性化は発生しない。そのまま第20週になると、外性器は女性型に分化する。
陰核の肥大が見られることもあるが、外見上は完全に女性型である場合も多い。膣を有するが、奥行きが十分でないこともある。通常はミュラー管の退化は起こっており、子宮は持たない。
精巣は、子宮にあたる部位にある場合と、脚の付け根付近まで降りてきている場合がある。
;男性仮性半陰陽(不完全型)
男性半陰陽のうち、思春期になると男性化を生ずるものがある。出生時には男性とみなされることもあるが、多くは女性として扱われる。
思春期に精巣のテストステロン生産が活発化することによって陰核が急速に発達して陰茎のようになり、変声・髭の発毛が起こる。このため、見掛け上は女児が男性に変わったように見える。
このケースの発生率は民族による差異が大きく、日本人では殆ど見られない。1954年インドネシアで発見されたほか、1980年代カリブ海の島で多数発見された。

二次性徴

性指向

性自認

ジェンダーパターン

スタブ

参考文献


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