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作品解説
初代『機動戦士ガンダム』とほぼ同時期を描いた外伝的なストーリーである。
ほかの作品と比べて、戦場の泥臭い現実を追求した描写が特徴的である。
そこに、理想に燃える青年士官(シロー・アマダ)が主人公として登場することでより戦争の現実が強烈な印象をもって対比されている。
シローは、戦場で行われる理不尽な戦いを目の当たりにし、軍人としての任務遂行と、人としての倫理観のギャップに激しく苦しむのである。
主軸となるのは、戦場において敵兵同士が愛し合うことは可能なのかというテーマである。 『ウェストサイドストーリー』が現代の『ロミオとジュリエット』であるならば、本作品はまさに未来の『ロミオとジュリエット』であると言えよう。
結末が悲劇だったのかハッピーエンドだったのかについては曖昧にぼかされたまま終わり、その結末を明らかにするのが追補的なOVA『ラスト・リゾート』である。
物語
連邦軍パイロットのシロー・アマダは地球上のアジア戦線に配属されることになったが、そこへ向かう途中に敵と遭遇し交戦、敵パイロット共々遭難してしまう。
その敵(アイナ・サハリン)と協力して生還することで彼女との間に交流が生まれるのだが、いざ配属されたアジア戦線ではアイナと敵同士として対峙することになるのだった。
そこにいたってシローは、人間性として当然の倫理を否定する戦場においても敵と愛し合うことも可能だと
叫び、それを証明すべく戦うのだった。
兵器
一年戦争において連邦軍が勢いを伸ばし始めた頃が舞台であり、登場する兵器もモビルスーツだけに偏らず、最初の作品「機動戦士ガンダム」に登場した一見奇抜な兵器をもリメイクさせて登場させている。
モビルスーツがあくまで一兵器として扱われるのはガンダムシリーズ全体を通して言える特徴であるが、本作ではその傾向がことさら強い。 特に、主人公の乗機は大抵強力な特別機なのが通例なところを、本作では量産機や改造機を主人公が駆っている。 それ以外のメカ描写も細部まで技術考証が徹底された。
敵の最終兵器は非常に凶悪であるが、これは外伝のストーリーに花を添える大道具としてはよくあるものと言えよう。