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日食

日食にっしょく、元の用字は日蝕)は太陽によって覆い隠される現象のことである。

太陽の全体が隠される場合を皆既日食、部分的に隠される場合を部分日食という。地球と月の軌道が楕円であるため、月で太陽を隠し切れない場合がある。その場合には皆既日食にならずに金環食となる。

皆既日食の際、月の表面にある起伏の谷間から太陽の光が点々と見える状態になることがある。これを発見者の名を取ってベイリーの数珠といい、古くから月に起伏がある証拠とされてきた。また、太陽がすべて隠れる直前と直後には、太陽の光が一か所だけ漏れ出て輝く瞬間がある。これはダイヤモンドリングとよばれる。

皆既日食が起こると夜空のように星が見えるようになる。そのわずかな時間を利用して1919年相対性理論の検証が行なわれた。皆既日食中に太陽周辺の星を観測すると、星からの光は太陽の重力場を通ってきて屈曲することになる。相対性理論で予想される方向と実際に観測された方向とを比較することで 理論がどの程度正確であるか検証することが出来る。この実験においても相対性理論が正しいことが証明された。

太陽は黄道を1年で1周し、月は白道を約1か月で1周する。ここで黄道と白道とが一致していれば、(新月)には必ず日食が、望(満月)には必ず月食が起こることになる。しかし、実際には黄道と白道とは約5度の傾きでずれているため、食(日食・月食)が起こるのは太陽・月が黄道・白道の交わる点(昇交点・降交点)付近にいる時に限られる。

太陽が昇交点・降交点付近にいる期間を食の季節と言い、食はこの期間以外には起こらない。食の季節は通常は年2回だが、3回ある年もある。これは、昇交点・降交点が太陽の動く方向と逆向きに動いているためであり、その周期は約19年である。食の季節には日食が少なくとも1回、多い時には2回起こる。よって日食は年に2~5回は起きることになる。逆に、食の季節であっても月食は起きないこともある。しかし、日食は月の陰に入った地域でしか観測できないため、地球全体で見れば日食は頻繁に起きていても、ある地域に限定すると日食が観測されるのは少ないことになる。月食は、月食が発生している時に月が見えていれば必ず観測できるので、一般には月食の方が頻繁に起きていると認識されていることが多い。

ある日食から18年と11日と8時間たつと、経度にして120度西の地点でよく似たタイプの日食が起こることが知られている。この周期は「サロス周期」と呼ばれ、紀元前から日食の予想に使われていたといわれる。

Table of contents
1 文学中の日食
2 関連事項
3 外部リンク

文学中の日食

SFのタイムトラベルものでは、日食や月食が使われることがある(例:マーク・トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」)。過去に旅して原住民などにつかまった主人公の一行が、たまたま日食のおこる日時を知っていたことを利用して、魔法が使えるようなフリをして窮地を逃れるのである。これはコロンブスが実際に行ったことに着想を得たものと思われる。

平野啓一郎による小説『日蝕』は、彼のデヴュー作であり、見なれない漢字・措辞を織りまぜた古風な文体、中世ヨーロッパという特殊な舞台設定、衒学趣味などから話題になり、1999年2月に芥川賞を受賞した。

関連事項

外部リンク





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