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枕草子

枕草子まくらのそうし)は、平安時代の女流作家、清少納言により執筆された随筆。成立は993年 - 1000年頃と考えられ、諸説ある。

平仮名を中心とした和文で書かれた。「春は曙」に代表される「ものは付け章段」が有名であるが、出仕した定子皇后周辺を振り返った「回想章段」、日常の生活を観察した「随想章段」など多彩な文章から成る。中古文学でも特に重要な女流文学であり、鴨長明の『方丈記』、吉田兼好の『徒然草』と並ぶ三大随筆の一つでもある。


第一段

春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明りて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。

 夏は、夜。月の頃は、さらなり。闇もなほ。蛍の多く飛び違ひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。雨など降るも、をかし。

 秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。まいて、雁などの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

 冬は、つとめて。雪の降りたるは、いふべきにもあらず。霜のいと白きも。また、さらでもいと寒きに、火など急ぎ熾して、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、温く緩びもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。


関連項目





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