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負でない実数 a に対して、 となるような b のうち、負でないものを a の平方根といい、 と表す。記号√ を根号と呼ぶ。
負の数への拡張
a が負の数のときは厄介な問題が生じる。平方根は複素数であり、しかも を満たすような b は二つ存在する。どちらを平方根とすべきであろうか。実は、これはどちらでもよいのである。ただし、 のある解を -1 の平方根とし(これはよく で表される)、後のの平方根は とすればよい。どちらを として選んでもよいという事実と関連して、次の誤った"証明"は興味深いものである;
この証明において成り立たないのは三番目の等号である。つまり、
は一般には成り立たないのである。下の複素数への拡張の項を読むと何が間違っているのかがはっきりするかもしれない。複素数への拡張
a が複素数のときは、次のようにして拡張できる;
a の極座標を
となるようにとる。このとき、
とすれば、これは一意的である。こうして定義された平方根をとる関数は、負の実軸上を除いては正則である。しかし負の実軸上では連続でさえない。
上に述べたことはこの不連続性と関係がある。偏角について
は定義からいえる。ところが、については、
が成り立つ。しかも偏角は上の範囲のどの値もとりうる。したがって、
ということが起こりうるわけである。これは複素変数関数の逆関数を考えるときに出てくる問題である(いまの場合、)。単射でない関数の逆関数を考えるためには人為的なことを行って(これは極座標の条件の部分)何とか一価にしなくてはならないが、そのツケが回ってくるわけである。