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13歳未満の女子を姦淫する場合は、脅迫・暴行は不要である。また、いずれにおいてもこの行為による射精の有無は問わない。
欧米、特に英語のレイプ(rape)に比較すると、強姦は、より狭い概念である。近年、国連規約人権委員会や女子差別撤廃委員会(女子差別撤廃条約に基づく)などの国際機関において、日本は法と法の運用の不備を指摘され、国際的な批判を浴びている。
また、親告罪であることと、後述のように訴えたとしても、その後の事情聴取や法廷の場で証言しなくてはならないという苦痛から、被害者が訴えずに泣き寝入りをしてしまうケースの多い犯罪でもある。
なお、被害者のこれらの苦痛に配慮して、平成12年の刑事訴訟法改正により、証言の際の証人への付添、被告人と証人の遮蔽、ビデオリンク方式による別室からの証言を可能にする規定が新設された(刑事訴訟法157条の2から同条の4)。従来、これらの措置は一部の裁判所で一般的訴訟指揮権に基づいて行われていた。しかし、訴訟指揮権の発動は各裁判長の裁量によるため必ずしもこれらの措置がとられるとは限られなかったのを、条文の新設により解消しようとしたものである。
| Table of contents |
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2 判例 3 法定刑 4 夫婦間、ドメスティックバイオレンスとの関連 5 歴史的背景 6 国際的批判 7 改正への動き 8 関連項目 9 外部リンク |
刑法177条が強姦を、
法律上の定義
と定義し、その罪と刑罰を定めている。
強姦罪が成立しない場合でも、準強姦罪(刑法178条)、強姦未遂罪(刑法179条)、強制わいせつ罪(刑法176条後段)、準強制わいせつ罪(刑法178条)、強制わいせつ未遂罪(刑法179条)が成立する場合がある。また強盗強姦罪(刑法241条)もある。
なお、女性が男性を強姦するという概念が刑法に存在しないのは、強制わいせつ罪等で処罰すれば足りると考えられていることによる。
また、民間団体のなかには強姦を、
判例によれば、暴行・脅迫の要件として、「被害者の反抗を著しく困難にする程度のもの」が必要だとする。また、性器の結合をもって既遂となり,射精の有無を必要としないとしたのもこの判例(最判昭24・5・10刑集3・6・711)であった。
現在の判例・解釈の主流は、この判決を基本にしたものがほとんどとなっている。
しかしながら、この判例は「女性側にも責任がある」とのニュアンスが強く、強姦が女性の性的自由を冒す非常に重要な人権侵害だという認識に欠けるとして、国内外の法曹関係者や有識者・フェミニストから強い批判を浴びた。これを受け、近年、被害者側の痛みを理解する判例へと少しずつ動く傾向がみられるが、いまなお被害女性の貞操観念を重視する裁判官も存在し、法廷におけるジェンダー・バイアスは減少していないという指摘もある。
また、警察の刑事政策においては、科学警察研究所などが被害者から聞き取り調査を行なうなど、改善への兆しはみられるようになってきている。
加害者が合意(いわゆる和姦)を主張する場合、被害者および検察側が暴行・脅迫の事実や、被害者が抵抗した事実の立証を強いられる困難に関する論議は尽きていない。
たとえとしてよく言われる例に、強盗被害者は「強盗された側が悪い」と言われないにもかかわらず、強姦被害者が法廷や取り調べの場で、加害者につけいる隙をつくったか否かを詮索されたり、被害者が異性との交友関係、性体験の有無について詮索されるのはおかしい、という指摘がある(もっとも、これに対しては自由な意思に基づく性行為は一般的に存在するが、自由な意思に基づいて強盗されるものは通常いないとの反論をなし得る)。
実際、裁判実務上でも、このような例は後を絶たない。法廷や取り調べで被害者がフラッシュバックを起こしたり、証言・陳述の内容がレイプの再現であったりする場合の被害者の精神的苦痛は、第二のレイプ(セカンドレイプ)と呼ばれて問題視されている。
強姦罪の成立に「被害者の反抗を著しく困難にする程度」の脅迫や暴行を構成要件とするのではなく、被害者の意思に反する性行為はすべて個人の性的自由への侵害だと指摘する法曹関係者・有識者は増加しており、現時点では、どちらかといえば強姦罪の要件を見直す方向へと推移する傾向にある。
刑法における法定刑は2年以上の有期懲役。死傷の結果を生じた場合は、無期又は3年以上の懲役となる。
法曹界への女性進出が著しくなった近年、たとえば女性検事から、法定刑の低さが強姦の処罰の足を引っぱっているという意見が出されたりするなど、強姦罪の法定刑には批判が強く、同じ刑法の規定で、たとえば強盗罪(5年以上の有期懲役)と比較して著しく低いと指摘されている。たとえば金銭的な犯罪が人間の尊厳にかかわる犯罪よりも刑が重いことなどがその理由として挙げられている。
夫婦間における強姦について「婚姻が破綻して夫婦たる実質を失い名ばかりの夫婦にすぎない場合にはもとより夫婦間に所論の関係(いわゆる通常の夫婦関係での性交)はなく、夫が暴行又は脅迫をもって妻を姦淫したときは強姦罪が成立する」と認定した1986年の鳥取地裁判決(鳥取地決昭61.12.17)がある。しかしこのケースでは、強姦認定の条件として、
また、夫婦間ではなく、父による娘の強姦(いわゆる近親姦)・性的虐待を含めドメスティックバイオレンスの視点からトータルに捉えるべきだとする意見もある。強姦事件のうち七割以上が家族を含む親しい間柄によると推定されているからである。
日本だけでなく両性間の不平等と支配・被支配の関係は、世界的にも歴史的にもみられ、男性による支配は男性社会を維持する仕組みとして機能してきた。少数民族、先住民、難民、貧困層、刑務所、収容施設、そして戦時における性暴力(日本では慰安婦と呼んだが、国際的にはこれを性奴隷・セックススレイヴ"sex slave"と呼ぶ)などは、こういった支配・被支配、征服・従属の関係が根底にあるとされている。
同時に強姦は、社会的に抑圧された男性が、その弱さを糊塗するため、女性を支配することによって力を誇示して満足感を得ようとする権力作用であり、男女間の力関係を支配・征服により確認する行為であって、性的快感をもたらすものではないとされている。つまり男性の性衝動とは無縁なのである。
日本では、その父権性原理によって戦前は強姦が所有権の侵害とみなされ、父ないし夫の所有する女性の貞操を強奪する行為であったことが、現行の刑法と判例法理の背景となっている。女性は男性によって支配・所有される存在だとみなす原理からきている。すなわち戦前において、強姦罪の規定による保護法益は貞操であって女性の性的自由を守るものではなかったのである。
強姦罪は個人の人格・自由を守るためではなく、社会秩序・性風俗の維持をその保護法益とし、女性とその貞操を男性の所有物として扱っていたのである。
また、上記「判例への批判」で見たように、加害者につけいる隙をつくったか否かを詮索されたり、被害者が異性との交友関係、性体験の有無について詮索することは、潔癖な女性の性的自由は尊重されるが、そうでない女性については性的自由の侵害を認定しないのと同義である。しかし個人の性的自由は、その私的生活に左右されるものであってはならないとする法曹関係者が増加する傾向もみられる。
とはいえ、夫婦は互いに性交を求める権利を有しかつこれに応じる義務があるという観念も裁判官に根強く残っており、強姦が性的自由の侵害であると一般に理解・認識されるまでには、まだ時間がかかるものと考えられる。
なお、アダルトビデオなどに描かれるいわゆる「女性の強姦願望」なるものは、実際には虚像だともいわれている。被支配感覚に快感を求める女性は存在するが、それはイマジネーションの世界におけるものであって、現実の強姦とは全く異なる。これは男性の支配願望によって形成されたと考えるのが通説となっている。そうであるとすれば男性がよく言う「性衝動」とは、単なる言い訳・言い逃れにすぎないと主張する人間は多い。男性の中には、「主張するのは主に女性である場合が多い」とする言説もみられるが、これは女性の性的自由についての無理解を端的に示す発言であると見ることもできる。
ただ、そういった男性の言う「性衝動」を助長するのものとして前述のアダルトビデオ、アダルトゲーム、成人向け雑誌や書籍に描かれている間違った性交・女性像があると挙げる研究者も多く、例えば性犯罪者のうち20歳未満の男性はそのような歪められた情報によって犯罪を起こすケースが多いとされ(アダルトビデオでは普通に強姦をしていたので、出来ると思ったなどと供述するのは最たる物であろうが、これも人権意識の欠如、女性の性的自由についての無理解に由来する)、こういったメディアを通じての意識変化を危険視する人々は多いものの、現在までのところ実証的な研究はさほど多くない。
その反面、女性による虚偽の告訴(誣告)も少数ながら存在し、その場合は男性にあらゆる面で再起不能なダメージを与える場合もある。近年の例で言えば「夫の気持ちを確かめたい」という非常に利己的な理由で虚偽の告訴をした女性の夫が逮捕され、経営する会社が廃業に追い込まれた、というケースなどがある。他にも、自己の素行不良を隠す為の道具として虚偽の供述をする場合もある(例えば援助交際の偽装に強姦されたと供述する女子高生など)が、強姦事件や性暴力事件に比べ、その実数はきわめて少数である。
大多数の女性にとって現実の強姦は、肉体的にも精神的にもきわめて大きな苦痛や望まぬ妊娠をもたらし、場合によっては消えることのない精神的外傷(トラウマ)として、被害者を生涯苦しめるケースも少なくない。
政府・与党のプロジェクトチームは2003年9月25日に会合を開き、
同9月30日の参議院本会議において小泉純一郎首相は、強姦罪の罰則強化と集団強姦罪の創設について理解を示しながらも、具体的方策については触れなかった。
民間団体による定義
と定義する団体(たとえば、これは東京・強姦救援センター)もある。これはおおむね米国などの概念に準拠しているとみられる。
判例
判例への批判
法定刑
法定刑への批判
夫婦間、ドメスティックバイオレンスとの関連
というきわめて特殊なケースで例外といえ、女性の性的自己決定権を尊重した結果出されたのではなかった。一般的な女性の性的自由の侵害について、この判例を適用するのは無理との声は多い。歴史的背景
アダルトビデオ等における「レイプ」と実際の比較
国際的批判
改正への動き
などを盛り込んだ改正案の検討に着手している。これは、2003年6月26日に鹿児島市内で開かれた公開討論会で、早大サークルの強姦事件が話題になった際に、「(集団レイプは)まだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と発言して批判を浴びた自民党の太田誠一元総務庁長官が、与党3党の女性議員らに呼びかけて立ち上げたもの。関連項目
外部リンク