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ノア

ノアは、旧約聖書の登場人物。ヘブライ語で「休息、慰め」の意。レメクの子で、セツを通してアダムの家系の10代目に当たる。

Table of contents
1 同時代の人々の中にあってとがのない者
2 神は当時の世を滅ぼすことを意図される
3 保護されて大洪水を切り抜ける
4 大洪水後の祝福と虹の契約
5 ノアの酔い

同時代の人々の中にあってとがのない者

ノアが住んでいた世界は堕落していた。その時代には、自分本来の立場とそのあるべき居所を後にしたみ使いたちが女たちと結婚して子を、つまり、「名ある人々」をもうけて、地に満ちていた暴虐をあおり立て(創世記 6:1‐4; ユダ 6)、ついに「[人の]心の考えのすべての傾向が終始ただ悪に向かう」ようになり、地は「損なわれ」た。それは、「肉なるものがみな地でその道を損なっていたから」である。(創世記 6:5,11,12)しかし、ノアはその堕落した状態から離れていたので、聖書によれば、ノアは「義にかなった人であり、同時代の人々の中にあってとがのない者となった。ノアはまことの神と共に歩んだ」と描写されている。(創世記 6:8,9)ノアは当時の不敬虔な世とは異なり、神から求められたことに十分かなっていたので、ノアのことを「とがのない者」と言うことができたのである。―創世記 6:22と比較。

神は当時の世を滅ぼすことを意図される

神はその不敬虔な世が存在する時間に限界を設け、「わたしの霊が人に対していつまでも定めなく働くことはない。彼はやはり肉であるからだ。したがってその日数は百二十年となる」と言われた。(創世記 6:3)これは神からの法的な定めであった。それから約20年後、ノアに最初の息子(多分、ヤペテ)が生まれた。記録によれば、2年後にセムというもう一人の息子が生まれた。ハムがいつ生まれたかは述べられていないが、
箱船を建造するようにとの神の指示がノアに与えられた時、それら3人の息子たちは成人して結婚していた。したがって、そのころには大洪水までにわずか40ないし50年しか残っていなかったものと思われる。(創世記 6:13‐18)さて、ノアはエホバとの契約関係に入れられ(創世記 6:18)、家族の援助を得たので、建築者として、また当時の邪悪な世代に差し迫った滅びについて警告する「義の伝道者」としての業に着手した。―ペテロ第二 2:5。

保護されて大洪水を切り抜ける

人々は神が邪悪な世を滅ぼすために行動されるということを信じなかった。ゆえに、ノアが絶対的な従順を示して、「すべて神から命じられたとおりに……まさにそのとおりに行なった」のは、強い信仰を抱いていたからである。(創世記 6:22)ヘブライ人への手紙の筆者であったクリスチャンが、あの「雲のような証人たち」の中にノアを含めたのも、ノアが神に対して不動の信仰を持っていたためであった。その筆者は次のように書いている。「信仰によって、ノアは、まだ見ていない事柄について神の警告を与えられた後、敬虔な恐れを示し、自分の家の者たちを救うために箱船を建造しました。そして、この信仰によって、彼は世を罪に定め、信仰による義の相続人となりました」。―ヘブライ 11:7; 12:1。

その洪水の大水が雨となって降り始める7日前に、エホバは動物を集めて箱船に入れるようノアに指示なさった。その週の7日目に、「ノア、そして彼の息子たち、妻、また息子たちの妻が彼と共に大洪水の水に先立って箱船に入(り)そののちエホバは彼の後ろの戸を閉じられ」た。まさしくその日に「洪水が来て彼らをみな滅ぼしました」。―創世記 7:1‐16; ルカ 17:27。

箱船に入った人間と動物と共に、それら生き物の命の糸が保たれた。同時に、真の崇拝も存続しましたし、また神はノアとその家族によって、人間の創造にまでさかのぼる時の計算方法や最初の言語(後にヘブライ語と呼ばれた)に加えて創造の歴史も存続させた。ノアは箱船に滞在中、重要な出来事を航海日誌に正確に書き留めた。―創世記 7:11,12,24; 8:2‐6,10,12‐14。

大洪水後の祝福と虹の契約

ノアとその家族は、箱船の中で約1年間過ごした後、洗い清められたばかりの地上に出て来た。箱船はアララト山脈の中の山地に止まっていた。ノアはエホバの愛ある親切や憐れみや保護のみ手に感謝して、祭壇を築き、「すべての清い獣とすべての清い飛ぶ生き物の中から幾らかを」神への犠牲としてささげた。神はお喜びになり、地はもはやのろわれることはなく、また神が一度行なったとおりにあらゆる生き物を撃つことはないということをノアに明らかにされた。「種まきと収穫、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜」はいつまでも続くのである。―創世記 8:18‐22。

神は大洪水を生き残った人々を祝福して、「子を生んで多くなり、地に満ちよ」と彼らにお命じになられた。それから、彼らの福祉を図るために次のような新しい定めを設けられた。(1)神はご親切にも彼らが食物に動物の肉を加えることをお許しになった。(2)しかし、魂が血にあるゆえに、血は食べてはならなかった。(3)正式に立てられた権威による死刑の制度が設けられた。これらの律法は、ノアの3人の息子の子供たちである全人類に対して拘束力を持つものとなった。―創世記 1:28; 9:1‐7; 10:32。

これらの定めを設けられた後、神は続けて次のように言われた。「そしてわたしはいま、あなた方およびあなた方の後の子孫に対してわたしの契約を立てる。また、あなた方と共にいるすべての生きた魂に対しても。鳥、獣、あなた方と共にいる地のすべての生き物……まことにわたしはあなた方に対して自分の契約を立てる。すなわち、もはやすべての肉なるものが大洪水の水によって断たれることはない。もはや大洪水が起きて地を滅ぼすことはない」。虹は今日でもこの契約の「しるし」、すなわちそれを思い出させるものとして現れるのである。―創世記 9:8‐17; イザヤ 54:9。

ノアの酔い

ノアは大洪水後350年生きた。記録は包み隠さず正直にこう伝えている。「さて、ノアは農夫として暮らし始め、ぶどう園を設けるようになった。そして彼はぶどう酒を飲みはじめてそれに酔い、そのために自分の天幕の中で身をあらわにした」。(創世記 9:20,21)この記述は、ノアが常習的な大酒飲みであったことを示すものではない。聖書は、その出来事に付随して起きた、世界史に大きな影響をもたらすことにさえなった事件の背景を示すためにその事件について伝えている。大洪水前にはノアはその邪悪な社会の人々がしていた『飲む』ことにふけったりしなかった。人々は飲んで酔ったあげく浮かれ騒ぎにふける極端に走っていたに違いない。そのような事柄は人々の感覚を鈍らせて、人々に神の警告を無視させ、「洪水が来て彼らすべてを流し去るまで」注意を払わないようにさせた一要因であったに違いない。―マタイ 24:38,39; ルカ 17:27。

ノアが自分の天幕の中で眠っていた時、ハム、そしてその息子カナンもノアに対する何らかの不敬な行為にかかわったものと思われる。その記述は、「ついにノアはぶどう酒の酔いから覚め、一番年下の子が自分に対して行なったことについて知った」となっている。一般的に言って、ここでノアの「一番年下の子」と呼ばれているのはハムのことだと解されている。しかし、聖書の中ではその表現は孫を指すことがあり、この場合、それはカナンであった。事情がどうであれ、カナンの父ハムは自分でノアに覆いを掛けずに二人の兄弟に事情を知らせ、その二人の兄弟がノアを覆ったのである。ノアはその間の出来事について知ると、カナンをのろい、セムの神エホバをほめたたえた。―創世記 9:20‐27。





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