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ヤハヴェ (Yahveh) は、ユダヤ教およびキリスト教の唯一神を表すヘブライ語יהוהを音訳したものである。他にヤハウェ(Yahweh)、ヤーウェ、エホバ(Jehovah)などの表記が用いられる。
יהוהは旧約聖書のヘブライ語本文中に6,828回出てくる。ヘブライ語動詞הוה(ハーワー、「なる」)の使役形、未完了態と同じ形をしているため、「彼はならせる」という意味があると思われる。
今日ユダヤ教徒が一般生活において、自らの神を「ヤハヴェ(エホバ)」と呼ぶことはない。換りに「神」「主」などの呼称を用いる。かつて地方の大祭司にとっては年に一度のみ唱える特別な名であった。しかし、ユダヤ教のミシュナの最初の部分には、「人は[神の]み名[を使って]仲間とあいさつすべきである」という積極的な命令もあり、その後にボアズの例(ルツ 2:4)が引き合いに出されている。―ベラホット 9:5。
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2 呼称の謎 3 関連 |
聖書学者の一般的見解
ヤハヴェは、元来はシナイ山で信仰された山の精などを指したのではないかと考えられている。ヘブライ人がカナーンを侵略して定着するようになると、先住民カナーン人の最高神であるエルと同化したのであろう。このようなユダヤ教以前のヤハヴェの信仰をヤハヴェ信仰と呼ぶ。旧約聖書には、「神」という一般名詞の意味でエル、エローヒームなどの呼称も見られる。後にバビロン捕囚などを経てユダヤ教が成立してゆく過程において、唯一絶対神の性格を帯びるようになっていったのではないかと考えられている。旧約聖書を教典とみなすキリスト教やイスラム教における神も同一の神だと解釈することができる。
1874年刊行の『インペリアル聖書辞典』(英語)の注解に興味深いものがある。「[エホバ]はどんな箇所でも固有の名であり、人格的な神を、そしてただその方だけを表わしている。一方、エローヒームはどちらかと言えば普通名詞の特徴を帯びており、確かに普通は至上者を表すが、必ずしも、またいつも一様に至上者のことを指しているわけではない。……ヘブライ人はあらゆる偽りの神々に対立する方のことをthe Elohim,つまりまことの神と言う場合があるが、決してthe Jehovahとは言わない。なぜなら、エホバとはまことの神だけの名だからである。また、わたしの神とは再三言うが……決してわたしのエホバとは言わない。というのは、わたしの神と言う場合、エホバのことを意味しているからである。また、イスラエルの神について語りはするが、決してイスラエルのエホバについて語ることはしない。それ以外のエホバはいないからである。さらに、生ける神について語りはするが、決して生けるエホバについて語ることはしない。生きている方ではないエホバなど考えられないからである。」
他の見解(エホバの証人)
「主」または「父」というのは名前ではなく称号であって、固有のものでも特有のものでもない。聖書時代、神を表す言葉(エローヒーム、ヘブライ語)はどの神を指す場合にも用いられた。ダゴンという異教の神を指す時にさえ用いられた。(士師 16:23,24)ゆえに、ヘブライ人が異教徒に向かって、ヘブライ人である自分は“神”を崇拝していると言っても、その人が崇拝するまことの神を明示することにはならなかったと思われる。呼称の謎
ヘブライ人がモーセの十戒を、神の名をみだりに唱えてはいけないと解釈したため、古代イスラエルではアドナイ(「主」の意)、ハシェミ(「御名」の意)などと呼んだ。また、ヘブライ文字ではふつう母音を記さないこともあり、さらに後に古典ヘブライ語が日常の言語としては死語化したので、後世の人間は、神名の本来の呼称が分からなくなってしまった。そのため、YHVH(YHWH)という子音の綴りから次のような呼称の案が考えられた。
またこの4つの子音は「神聖四文字(テトラグラマトン:四つの文字の意)」と呼ばれることもある。関連