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レコード

レコードとは英語 record のカタカナ表記であり、英語本来の意味は記録、登録、資料といったものである。広義な語であるため様々な意味を持つ。


Table of contents
1 音声記録用レコード
2 レコードの生産

音声記録用レコード

レコードとは、円盤状のプラスチックに凹凸を刻むことで音楽などの音響を記録したメディアの一種であり、また実際に音の情報が集録された物を指す。

音の再生にはレコード・プレイヤーと針を用いる。レコードの回転とともに、そのレコードに刻まれた溝の凹凸が針に振動を与え、それが音に変換されてスピーカーから発せられることになる。

語源は記録するという意味を持つ英語の Record から。

略史

トマス・エジソン発明による、錫箔を巻いた円筒式レコード(後にろう管)を原点とする。これは記録再生可能なものであった。初期のレコードは形状、素材共に現在知られるものとは異なっている。これはその後、コンパクト・ディスクやDVDなどの類似媒体が基本的にレコードと非常に似た素材、形状を利用したことを考えると興味深い点である。

後にエミール・ベルリナーにより円盤式レコードへと改良された。アナログ式記録による音声再生メディア。

初期にはシェラックを原料とした割れやすい物だったが、後にポリ塩化ビニルを用いて取り扱いしやすいものとなった。

コンパクトディスクの開発により、一時衰退したが、コンパクトディスクで欠落する20kHZ以上の周波数帯域が再生音に影響するなどから近年では再注目されている。(cf. サンプリング周波数)

クラブ_(音楽)のディスクジョッキーのパフォーマンスにも利用される。(マキシシングル)

レコードの生産

レコードはポリ塩化ビニルの原材料を裏表の金型(スタンパ)の間に入れ、熱と圧力を加えてプレスすることで作られる。プレス装置と型さえ数をそろえれば量産が容易である。このプレス型はスタンパと呼ばれ、オリジナルの原版から複数の工程をへて複製されたものである。

  1. 音を「ラッカー (lacquer)」(原盤)にカッティング。これは表面が柔らかい原版に凹型の溝を切る工程。
  2. 「ラッカー」は耐久性に乏しいので、表面に銅めっきを行い、これをはがすと凸型の「メタルマスタ」ができる。これが保存用のマスタになる。
  3. メタルマスタにめっきを行ってはがすと凹型の「マザー」ができる。これは生産用のマスタになる。
  4. マザーから同様にして凸型の「スタンパ (stamper)」を作る。このスタンパを用いて上記のプレスを行うことでレコード(凹型の溝)が完成する。スタンパは消耗品である。

レコードの諸形態

レコード盤の形状

  • SP盤 (Standard Playing)
回転数 78rpm
直径 30cmまたは25cm 両面(初期は片面)
モノラル記録

  • LP盤 (Long Playing)
回転数 33 1/3rpm(高音質向けの 45rpm も少数発売された)
直径 30cm または 25cm 両面
モノラルまたは 45-45 ステレオ記録(一時は 4 チャンネル記録も)

  • EP盤 (Extended Playing)
回転数 45rpm
直径 17cm
穴が大きいためドーナツ盤と呼ばれるが、これはオートチェンジャー(ジュークボックス)対応のため
モノラルまたは 45-45 ステレオ記録

溝の形状

  • モノラル盤
水平振幅記録(音の大小を盤と水平方向の振動として記録)
  • ステレオ盤 (45-45方式)
直交振幅記録(90度で交わるV型の溝のそれぞれの壁面に左右のチャンネルの振動を記録)
モノラル信号(すなわち左右の信号が同一)の場合は水平振幅のみとなるようにしてモノラル再生機との互換性を確保した。
4チャンネルステレオ盤
ディスクリート 4 チャンネル方式の CD-4盤 (日本ビクター)では、フロント 2チャンネルの電気信号の高音域にリア 2 チャンネルを重畳して記録したため、通常の可聴周波数に対応した溝のうねりに、さらに高周波数に対応した細かい振動を記録する凹凸がある。これは専用の針をもつ変換機(カートリッジ)でないと再生不可能(溝を壊す恐れがある)。
マトリクス4チャンネル方式のSQマトリクス(ソニー)では、電気的にエンコードされ2チャンネル化されていため溝そのものは従来のステレオレコードと物理的な差は無い。

外観上のバリエーション

ソノシート

他の類似媒体との比較

後のカセット・テープが磁気媒体であるのに対し、レコードは物理的な凹凸を利用した媒体である。

コンパクト・ディスクはレコードと同じくプラスチック盤に凹凸を刻む形で音の録音に用いられる(他の用途もある)媒体だが、レコードは針と盤との接触、それによって生み出される振動を利用した再生システムであるのに対し、コンパクト・ディスクはレーザー光の反射を利用した再生システムになっている。

その他

音楽が販売される媒体として、レコードは長い間、非常にポピュラーであった。このため、レコードが CD にとって代わられた現在でも、音楽を録音したものを制作、販売する会社は「レコード会社」と呼ばれる。CD などを販売する小売店が「レコード店」と呼ばれることも多い。

フランス人はレコードの発明者を自国のシャルル・クロであるとしており、彼の名を記念した ACC ディスク大賞がある (ACC:Academy de Charles Cros)。

レコードの大敵はホコリ(埃)である。埃があると物理的な振動を用いるレコード再生ではプチっという音になり大変耳障りである。このため、気にする人はレコードを再生する前には必ず埃を取る「儀式」が必要だった。このためレコードの埃取りや、埃を防ぐため帯電防止・表面潤滑材などの周辺グッズが多数販売されていた。

可変ピッチ記録のLPレコードは溝の疎密から音の大小が推定できるため、慣れると長い曲の聴きたいところを簡単に頭出しすることもできた。

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