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カースト

カースト(カースト制、カースト制度)は、ヒンドゥー教にまつわる身分制度である。起源前13世紀頃に、アーリア人インド支配に伴い、バラモン教の一部として作られた。基本的なカーストは4つにわけられているが、その中は更に細かく分類されている。

カーストという単語はもとポルトガル語で血統を表す。そこからインドにおける種々の社会集団の構造を表す言葉になった。

カーストの移動は認められておらず、また、カーストは親から子へと受け継がれる。結婚も同じカースト間で行われる。

そのように古い起源を持つ制度であるが、現在も法的な制約はないものの、人種差別的にインド社会に深く根付いている。

カースト(身分制度)

ヒンドゥー教の展開のなかで、カースト制度が強く指摘される。カーストは基本的な分類が四つあるが、その中には非常に細かい定義があり非常に多くのカーストがある。カーストは身分や職業を規定する。カーストは親から受け継がれるだけで、生まれたあとにカーストを変えることはできない。だたし、現在の人生の結果によって次の生など未来の生で高いカーストに上がることができる。現在のカーストは過去の生の結果であるから、受け入れて人生のテーマを生きるべきだとされる。

結婚も同じカースト間で行われることが多く、インドの多様な人種の中でも未だに人種の違いがはっきりと現われているのは、カーストが混血を妨げているからである。

他宗教に対して寛容なヒンドゥー教であるが、カーストに対しては寛容でない。他宗教はその現実的な影響力や力によりその扱われる位置がきまる。要するに高いカーストは貴族であり、貴族はその地位を子孫の時代まで守ろうとするわけである。日本の過去の貴族や武士の制度の様なものだが、日本では仏教伝来以来、長い時間をかけて身分のクラスを取り除いて来たのに比べて、カースト制は5千年以上もの歴史があり、何度か取り除かれようとしたものの、ヒンドゥー教とカーストの結び付きが強いためインドの社会への影響は未だに強い。

インド国内で、ジャイナ教やシーク教(シク教)、ゾロアスター教は長い歴史の中でヒンドゥー社会のなかで生き残って来たのは、彼らの社会的な力のせいである。ジャイナ教徒には裕福な商人が多く、シーク教徒には強い戦士が多くまた裕福な人々が多い。ゾロアスター教徒にも裕福な人々が多く、政治的な力を持っている人々も多い。ちなみに、インド最大の財閥のひとつであるタタは、ゾロアスター教徒の財閥である。

イスラム教徒はインド国内に多くおり、人口的な数ではインドは世界第3位のイスラム教国(1位インドネシア、2位パキスタン)でありヒンドゥー教から迫害されることはないが、その力が強いためにヒンドゥー教徒とイスラム教徒の勢力競争は強くあり、暴動が起きることもある。イスラム教徒がヒンドゥー教の寺院を破壊したり、その逆にヒンドゥー教徒がイスラム教のモスクを破壊したりすることもある。

なお、外国人であっても日本や裕福なアジアの国や、ヨーロッパ、アメリカからの訪問者はその国の力が強いため、高いカーストと同様の扱いを受ける。

紀元前5世紀の仏教の開祖であるゴータマ・ブッダは、カースト制度に強く反対して一時的に勢力をもつことが出来たが、5世紀以後に勢力を失って行き、カースト制度がさらにヒンドゥー教として大きな力をつけて行き、カースト制度は社会的に強い意味を持つようになった。

基本的な四つのカースト(ヴァルナ・四姓)とカースト外の身分には、以下の物がある。

  1. ブラフミン(サンスクリットでブラーフマナ、音写して婆羅門) - 神聖な職についたり、儀式を行うことがができる。ブラフマンと同様の力を持つと言われる。「司祭」とも翻訳される。
  2. クシャトリア(クシャトリヤ) - 王や貴族など武力や政治力を持つ。「王族」、「武士」とも翻訳される。
  3. ビアイシャ(ヴァイシャ) - 商業や製造業などにつくことができる。「平民」とも翻訳される。
  4. スードラ(シュードラ) - 一般的に人々の嫌がる職業にのみつくことが出来る。スードラはブラフミンの影にすら触れることはできない。「奴隷」とも翻訳されることがある。先住民族であるが、支配されることになった人々である。
  5. アチュート - さらに、カースト外の人々もおり「不可蝕賎民」とも翻訳される。力がなくヒンドゥー教の庇護のもとに生きざるを得ない人々である。にも関わらず1億人もの人々がアチュートとしてインド国内に暮らしている。

未だに強い影響力をもつカースト制度であるが、下位のカーストやカースト外のアチュートであってもなんらかの手段で良い職業につくこともできる。スポンサーや自らの財力で国外に渡り、国外で教育を受け、されに実力を認められた後に帰国し、インド国内でも影響力を持ち続ける人々もいる。

アチュートの人々にヒンドゥー教から抜け出したり、他の宗教に改宗を勧める人々や運動もあるが、動きは弱い。そこには、長い歴史と深い心理的な記憶がある。

他宗教からの改宗とカースト

改宗してヒンドゥー教徒になることは可能であり歓迎される。しかし、そこにはカースト制がある。カーストは親から受け継がれ、カーストを変えることが出来ない。カーストは職業や身分を定める。他の宗教から改宗した場合は最下位のカーストであるスードラに入ることしかできない。生まれ変わりがその基本的な考えとして強くあり、努力により次の生で上のカーストに生まれることを勧める。

したがって、現在最下位のカーストに属する人々は、何らかの必要性や圧力によりヒンドゥー教に取り込まれた人々の子孫が多い。ヒンドゥー教は複数の宗教の合体したものと呼んでも良く、元の宗教の現実的な力が強かった場合は対等に合体していったが、力が弱かった場合は、下位のカーストに取り込まれたり、異教からの改宗として最下位のカーストに取り込まれた。

仏教がインドから衰退して行く過程で、仏教はヒンドゥー教の一部として取り込まれた。仏教の開祖のゴータマ・ブッダはヴィシュヌ神の生まれ変わりの一人であるとされるが、彼は「人々を混乱されるためにやって来た」ことになっている。その衰退の過程で、仏教徒はヒンドゥー教の最下位のカーストに取り込まれて行ったと言われる。ヒンドゥーの庇護のもとに生活をすることを避けざるをえなかったためである。

また、イスラム教の経済力と政治力や武力による発展のなかで、ヒンドゥー教からの改宗者が多かったのは、下位のカーストから抜け出し自由になるのが目的でもあった。





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