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ローマ字

  1. ローマ文字。ラテン文字のこと。
  2. 日本語の「ローマ字綴り」のこと。本項で詳述。

ローマ字とは、ラテン文字のアルファベットを用いて日本語を表記する方法。同様の方法は、ロシア語、ギリシャ語、アラビア語、中国語、朝鮮語などラテン文字を主たる文字としない多くの言語に存在する(注)。

明治の国語学者や第二次大戦後のGHQなどにより日本語に使用される文字数を大幅に減らし、日本語の習得を早くできるようにするために、日本語の主たる表記をローマ字とすべきだという主張(ローマ字論)がなされたが、現在はそういった主張はさほど強くない。

(注)類似の概念として、ドイツ語、フランス語などラテン文字を主な文字としていながらも英字にない独自文字を使う言語において独自文字を英字にある文字で綴る書法がある。

Table of contents
1 ローマ字の歴史
2 ローマ字の規格
3 ローマ字の使用
4 訓令式の表
5 ヘボン式の表

ローマ字の歴史

1591年にポルトガル式ローマ字で出版した使徒行伝『サントスの御作業の内抜書』(Santos no Gosagveo no uchi Nuqigaqi)が現存する最古のローマ字文書である。1774年には杉田玄白、前野良沢らが『解体新書』をオランダ式ローマ字で訳出した。ポルトガル式やオランダ式ローマ字は仮名文字との一対一の対応がなく、利用は宣教師や学者などのごく狭い範囲に限られた。

仮名とローマ字を一対一で対応させた最初の方式は、1867年にヘボン(James Curtis Hepburn)が『和英語林集成』第1版で用いたローマ字で、ヘボン式として知られる。しかしこの方式は英語の発音に準拠するために日本語の表記法としては破綻が多く、1885年に田中館愛橘が音韻学理論に基づき、日本式ローマ字を考案した。

日本式は音韻学理論の結実として国内外の言語学者の賛同を得たが、これに反対するヘボン式擁護者の不満が根強く収拾がつかなかくなり、ヘボン式の表音主義の主張を一部汲んで改変を行った。これが1937年に内閣訓令第3号として公布された訓令式である。

第二次大戦後、米国統治下でふたたびヘボン式が勃興して混乱が生じたため、1937年内閣訓令第3号は廃止、ヘボン式の使用を「国際的関係その他従来の慣例をにわかに改めがたい事情にある場合」に制限する文言を加えた上で、1954年内閣告示第1号として新たに公布しなおした。1989年には国際標準化機構(ISO)が訓令式(厳密翻字は日本式)を採用、ISO3602として承認した。

ローマ字の規格

国内規格

日本国内の標準規格は1954年内閣告示第1号(第1表)が示した訓令式である。第2表でヘボン式、日本式つづりも認めたが、「国際的関係その他従来の慣例をにわかに改めがたい事情にある場合」に限られる。なお、第2表に従ってヘボン式あるいは日本式でローマ字をつづる場合にも「そえがき」が適用される。
参照 
http://xembho.port5.com/siryoo/naikaku_kokuzi.html

国際規格

国際標準化機構(ISO)が1989年に承認したISO3602がこれに当たる。第3項に「採用されたローマ字化の方法は、(省略)訓令式の名で知られている方式である」とある。ただし第5項の原注2により、厳密翻字に限って日本式のつづり方を採用する。
参照 http://www.age.ne.jp/x/nrs/iso3602/iso3602.html

英米規格

  1. 英国規格協会(British Standards Institution)の英国規格
  2. 米国規格協会(American National Standards Institute)の米国規格

両者の内容は違わない。米国規格は1994年に廃止された。現在、米国に日本語のローマ字表記に関する規格は存在しない。
参照 英国規格要約 http://halcat.com/roomazi/doc/bs4812.html

その他の方式

団体などが独自に定めたローマ字のつづり方で、制定者の権限が及ぶ範囲で効力がある。よく知られたものを挙げる。

外務省ヘボン式ローマ字

外務省がヘボン式を下敷きにして定めた方式。旅券の氏名記載で用いる。長音は表記せず、オの長音に限ってOHで表すことができるなど変則的な拡張が見られる。
参照 
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/hebon/

道路標識ヘボン式ローマ字

上記に似る。長音は表記しない。はねる音はn(1954年内閣告示)で表す。区切り点はハイフン(1937年内閣訓令)で表す。chが続く場合にはcを重ねずt(英米規格)とする。
参照 
http://www.kictec.co.jp/inpaku/iken%20keikai/syasin/hebon/romaji.htm

ローマ字の使用

英語を中心とするラテン文字言語において日本語を表記する際に用いる。発音表記としての意味も担うことが多い。非ラテン文字を扱えないパソコン環境・タイプライターなどで日本語を表記する場合にも用いる(注)。

一般に国内規格や国際規格は尊重されない。英米方式(ヘボン式)と、外務省ローマ字や道路標識ローマ字などを区別なく用いる。表記法に対する無関心から、長音表記や分かち書きの乱れが目立つ。正書法としてのローマ字は実践されなくなって久しい。

(注)こういった使用法は日本語以外の言語におけるローマ字綴りでもみられる。特に人名表記においては、政府などの定める正書法に従わず、伝統や好み、英語発音に模した表記もよくなされる。これは韓国人名のローマ字表記においてもよくみられる。

訓令式の表

 (拗音)
aiueo
kakikukeko kyakyu kyo
sasisuseso syasyusyo
tatituteto tyatyutyo
naninuneno nyanyunyo
hahihuheho hyahyuhyo
mamimumemo myamyumyo
ya(i)yu(e)yo
rarirurero ryaryuryo
wai eon
gagigugego gyagyugyo
zazizuzezo zyazyuzyo
da(zi)(zu)dedo (zya)(zyu)(zyo)
babibubebo byabyubyo
papipupepo pyapyupyo
(重要)表記法はそれぞれの規格・方式でやや異なる。そえがきを参照せよ。

ヘボン式の表

 (拗音)
aiueo
kakikukekokyakyu kyo
sashisusesoshashusho
tachitsutetochachucho
naninunenonyanyunyo
hahifuhehohyahyuhyo
mamimumemomyamyumyo
ya(i)yu(e)yo
rarirureroryaryuryo
wa o
gagigugegogyagyugyo
zajizuzezojajujo
da(ji)(zu)dedo(ja)(ju)(jo)
babibubebobyabyubyo
papipupepopyapyupyo
(重要)表記法はそれぞれの規格・方式で大きく異なる。そえがきを参照せよ。




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