|
|
ブラック・ホール (Black hole) は、天体の一つである。ブラックホールの境界面(事象の地平面:シュバルツシルト面)の内側からは、物質はおろか、光ですら出てくることが出来ないので、「ブラックホール」(黒い穴)の名前がつけられている。
ブラックホールの存在は、ブラックホールが物質を吸い込む際に放出するX線やガンマ線、宇宙ジェットなどによって観測が可能である。
ブラックホールの存在はアルベルト・アインシュタインの重力理論:一般相対性理論により予言されてきたが、長い期間それはあくまで理論的な存在に過ぎなかった。1990年代より我々の住む「銀河系」をはじめ、数多くの銀河系の中心部には 大質量のブラックホールの存在が確認されている。宇宙に無数に存在するすべての渦巻銀河の中心にはブラックホールがあると言っても過言ではないだろう。
ブラックホールは、非常に密度が高く、光が抜け出すことが出来る限界面であるシュバルツシルト半径よりも物質が小さくなってしまった状態と言える。シュバルツシルト面は、あくまで空間であり物質ではない。したがってシュバルツシルト面の中にも空間は続いているので、中に入って行くことができる。もちろん、強力な潮汐力と横方向の圧縮力を受けることになるので、宇宙船で入ったら無事では済まないだろう。
| Table of contents |
|
2 ブラックホールの成長 3 ブラックホールの蒸発 4 関連記事 5 ブラックホールを扱った芸術作品 |
ブラックホールの誕生
ブラックホールは、物質の進化のある枝の一端を成していると言っても良い。ビッグバンにより始まった純粋なエネルギーであった宇宙が、やがて素粒子を生み出し、素粒子の複合が原子となる。最も単純な原子は水素である。
原子が重力等によって集まってくる。集まった原子はその重力によって中心部の圧力と温度の上昇し、核融合が始まる。核融合が始まると熱的な膨張力が発生して重力とは逆の効果をうむ。この核融合のエネルギーが表面に達するとそれは星(恒星)として輝き始める。熱による膨張力と重力による収縮力がつりあった時点で星は安定する。
だが、さらに物質が集まってきたり、核融合の材料が消費されてくると、星は次の段階に変化する。星の中の核融合では鉄が最終的な生成物でそれ以上の核融合は起きない。核融合の材料がなくなると熱的な膨張力が減るので、重力による収縮が打ち勝つ。
次の段階はその星の重さによって違ってくる。
我々の天の川銀河の中心部にあるブラックホールは、太陽の200万倍の重力を持った巨大な存在である。1995年、銀河M106の中心には太陽質量の3600万倍の質量のブラックホールがあることが確認されている。
ブラックホールの中心には、密度、重力が無限大である特異点と呼ばれる点がある。これは、ブラックホールを記述できる理論である重力理論:アインシュタインの一般相対性理論により記述できない領域ということである。
ブラックホールの蒸発
古典論においてはブラックホールはただひたすら周囲の物体を飲み込み増大してゆくだけである。しかしホーキング(一般相対性理論に量子論を加えた理論を開拓したことで知られる)によるとブラックホールの周辺で量子場の理論を適用すると、ブラックホールが蒸発する可能性があることが指摘されている。その理論は以下の通りである。
時空はその微小な領域で粒子の対生成、対消滅が起こっている。この粒子対は正のエネルギーと負のエネルギーを持つ。このときブラックホールの周辺で粒子の生成、消滅が起こると負のエネルギーをもつ粒子だけがブラックホールに飲み込まれ、その分ブラックホールのエネルギーが減少する。こうしていつかはブラックホールが蒸発する。しかしそのためには莫大な時間が掛かり、少なくとも我々が観測できる時間内にはこの現象は自然には起こらないと思われる。
関連記事
ブラックホールを扱った芸術作品
文学作品