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マクスウェルの方程式(Maxwell's equations)は、1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェルによって導かれた、電場・磁場のふるまいを記述する古典電磁気学の基本方程式。マクスウェル=ヘルツの電磁方程式、電磁方程式などとも呼ばれ、次の4つの数学的方程式からなる。
真空中におけるマクスウェルの方程式(微分形式、E-B対応表示)
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これらの方程式から、電場と磁場の統一(電磁場)、光が電磁波であることなどが導かれ、ついにはアルベルト・アインシュタインの相対性理論へとつながった。
| Table of contents |
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2 4つの方程式(各論)
2.1 電荷密度と電場 (マクスウェル=ガウスの式)
3 関連項目2.2 磁場の構造 (磁束保存の式) 2.3 変化する磁場と電場 (マクスウェル=ファラデーの式) 2.4 電流・電場と磁場 (マクスウェル=アンペールの式) 2.5 式のまとめ |
マクスウェルの方程式とニュートン力学・相対性理論
マクスウェルが導出した方程式は、現代の洗練された形式ではなかった。1884年にオリヴァー・ヘヴィサイドがベクトル解析を用いて、マクスウェルの方程式をより明確に記述した。この変更は、対称な数学的な表現を備えたさまざまな場における物理現象の理解を増した。
19世紀後半を通じて物理学者の大半は、マクスウェルの方程式において光速度がすべての観測者に対して不変であるという奇妙な予測のために、またそれがニュートン力学の運動法則と矛盾したために、これらの方程式が電磁場への近似的なものに過ぎないと考えた。1905年にアルベルト・アインシュタインが特殊相対性理論を提出したことによって、マクスウェルの方程式が正確で、ニュートン力学の方が修正すべきものだったということが明確になった。これら電磁場の方程式は、特殊相対性理論と密接な関係にある。磁場の方程式は、光速度に比べて小さい速度では、相対論的変換による電場の方程式の変形に結び付けられる。
マクスウェル=ガウスの式を積分形式で表すと次の式になる。
4つの方程式(各論)
次に、ベクトル解析を用いて、4つの方程式を説明する。(ベクトルの成分まで厳密に数えると8つの式である。)電荷密度と電場 (マクスウェル=ガウスの式)
ここで、 (ロー)は、電荷密度(単位は C/m3)。 は電束密度(単位は C/m2)で、「線形な物質」中では電場 と 誘電率 (物質に依存する定数)の積になる。電場が非常に強くないかぎり、どんな物質も「線形」なものとして扱うことができる。上の式は、電束が保存されることを意味している。真空の誘電率はと書かれ、次の式で表される。
ここで、 は電場(単位は V/m)、 は電荷密度、 (≒ 8.854 pF/m) は真空の誘電率。線形な物質中では は に置き換えられる。ここで
で、 は物質中の比誘電率である。
ここで は、電荷の外側へ向かう方向と直交する閉じた曲面 A 上の微小な方形の領域であり、 はその閉曲面当たりの電荷である。
この積分形式は、閉局面上を積分したときにのみ意味があり、ガウスの法則としてよく知られている。また、この式はクーロンの法則に相当するものである。
上の式は磁場の構造と関係がある。なぜなら、与えられるどんな体積要素についても、表面 A の外側の点のベクトル成分の総和が内側の点のベクトル成分の総和に等しくなるからである。このことは、構造的にみて、磁力線が閉曲線でなければならないことを意味する。またこの式は、磁力線はどこかを起点とすることも終点とすることもできないことを意味する。すなわち磁気単極子(モノポール)が存在しないことを示唆します。もし、磁気単極子が発見されたならば、上の式は次のように変更されなければならない。
この式は、電磁誘導に関するファラデーの法則(電磁誘導の法則)の定式化であり、非常に多くの実用的な応用、たとえば電動機(モータ)や発電機に関係している。
真空中では透磁率 μ は真空の透磁率 μ0 = 4π×10-7 W/Am で置き換えられる。したがって式は次のようになる。
磁場の構造 (磁束保存の式)
は磁束密度(単位はテスラ T )。積分形式で表すと次の式になる。
ここで は、領域の外側へ向かう方向と直交する閉じた曲面 A 上の微小な方形の領域である。
電場の積分形式と同様に、この式は閉局面上を積分したときにのみ意味がある。
ここで は磁気単極子の磁荷密度である。変化する磁場と電場 (マクスウェル=ファラデーの式)
この式を積分形式で表すと次の式になる。
ただし、
ここで φB は磁束保存の式で記述された面積 A を通過する磁束、ε は面積 A の縁の周囲の起電力。この式は、閉じていない局面 A についてのみ働く。なぜなら磁束保存の式の説明で述べたように、閉じた局面を通る磁束の総和は常に0だからである。起電力はその曲面 A の縁に沿って測定されるが、閉じた曲面には縁がない。いくつかの電気工学の文献では、曲面 A の縁に巻かれたコイルの数 N を磁束の導関数の前に用いてこの積分形式を表現している。なお、式中の負号(-)があるため、磁束密度の時間微分が正なら左回転に、負なら右回転になる。電流・電場と磁場 (マクスウェル=アンペールの式)
ここで H は磁場の強さ (単位は A/m)で、磁場(磁束密度) B を透磁率 μ という定数で割ったもの。 は電流密度。
積分形式は次のようになる。
s は開曲面 A の縁となる曲線で、Iencircled は曲線 s で囲まれた曲面 A を通過する電流( Ithrough A = ∫AJ·dA)である。コンデンサや となるほかの場所がなければ、右辺の第2項(変位電流)は一般に無視される。なお、この式は、マクスウェル=アンペールの法則としても知られている。
マクスウェルの方程式(E-H対応の表示)
式のまとめ
真空中では、電束密度 D と 磁場の強さ H を使わずにE-B対応の表示で次のように表される。
真空の誘電率・透磁率から導かれる定数 c が光速度に一致することから、マクスウェルは光が電磁波であるという予言を行ったのである。その予言は後にハインリヒ・ヘルツによって実証される。ヘルツはマクスウェルの方程式の研究に貢献したので、マクスウェルの方程式はマクスウェル=ヘルツの(電磁)方程式と呼ばれることもある。