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マタイによる福音書(希:Kata Maththaion、羅:Incipit Evangelium Secundum Mattheum。マタイ伝福音書)は、新約聖書中、福音書の一書である。伝統的に、十二使徒の一人であるマタイの執筆とされるが、学問上、このマタイである可能性は無い。作者は不明。或いは、実際にマタイという名の人物だったかもしれない。ギリシア語を母語とするユダヤ人キリスト教徒(おそらく律法学者グループの成員)である考えられる。
執筆時期は、マルコによる福音書の成立以後、エルサレム神殿崩壊(70年)以後。上限は70年、下限は90年代。マルコ伝の他、「Q資料」、「マタイ特殊資料」を参照して書かれた。場所は不明。シリア(アンティオキア)説、パレスチナ説などがあるが想像である。
旧約から多数の引用がなされており、また、律法に重きをおく。この点ではヤコブ書に思想的に近く、ユダヤ教徒のユダヤ人を対象として書かれたものと推測される。ペトロの権威を高めていることから(16:19)、エルサレム教会に近い人間であった可能性がある。イエスを旧約中に預言されたメシアとして積極的に位置付け、またイエスの教えを律法の完成と見る。イエスの具体的な行動に従うことを強調するマルコ伝に対して、教説に重点をおいている。一方で「偽善的な」ユダヤ教の律法学者やパリサイ派への批判が激しい。
マタイ福音書は、その文体が美しいことでも知られ、文学に引用されていることも多い。
パゾリーニは映画「マタイによる福音書 Il Vangelo Secondo Matteo」で、イエス伝に纏わる従来のロマン主義的なイメージを払拭し、厳しい自然主義によって、鮮烈な映像を作り上げている。なお日本では、この映画に「奇跡の丘」などというわけのわからぬ邦題が付けられているが、これは理解を妨げる愚案以外の何ものでもないと捉える人は多い。
特徴
芸術