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ディラック方程式はフェルミ粒子に対する相対論的量子力学の基礎方程式である。
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2 解説 3 関連記事 |
歴史
ディラックは1928年にディラック方程式を基礎方程式とする相対論的量子力学を見出したが、負のエネルギーの状態が現れるという問題があった。1930年に負のエネルギーの状態すべてがディラック粒子で満たされているとするディラックの海の概念によりその問題を解決した。ディラックの海の空孔は正のエネルギーを持ち、反粒子に対応する。
しかし、後の物理学者により、ディラックの海の概念(空孔理論)の拡張、解釈の見直しが行われている(下にある補足も参照)。
解説
ディラック方程式は自然単位系()では
と表される。
mはディラック粒子の質量であり、は四成分スピノルである。
ディラック行列は
共変微分は
ディラック方程式はディラックのハミルトニアン
(補足)
非相対論的なシュレーディンガー方程式を、相対論へ対応するための拡張として最初、クライン=ゴルドン方程式が考案されたが、これは負のエネルギー解と負の確率密度の問題が生じた(この問題は、その後登場した場の理論により回避できる)。また、この方程式にはスピンが出てこない問題もあった。
ディラック方程式は、負の確率密度は生じず、スピンの概念が自然に出てくるが、依然として負のエネルギー解の問題が残った。これを解決するためにディラックは先にあるように空孔理論(Hole theory)を考案した。ディラックは当初この空孔による粒子を陽子と考えたが、それは後に陽電子であることが指摘された(ヘルマン・ワイル、ロベルト・オッペンハイマーによる)。
デヴィッド・アンダーソンによる陽電子の発見(1932年)により、この空孔理論は現実の現象を説明する優れた理論であったが、その後、リチャード・ファインマン等により拡張、解釈の見直しが図られ(相対論的な場の量子論)、真空での負エネルギーの電子の海(ディラックの海→空孔理論)を考えなくとも、電子-陽電子の問題を扱うことができるようになった(詳しくは量子電磁力学を参照せよ)。