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ハンガリー語は、ハンガリーの公用語。自称はマジャル語(Magyar nyelv)と言い、その転訛からマジャール語と呼ばれることも多い。
ハンガリーを中心とした周辺の国々(ルーマニア、セルビア、オーストリア東部、スロベニア北東部)にも使用者がおり、話者人口はおよそ1450万人で、うちハンガリーに住む人々は1000万人ほどである。アメリカ合衆国などのハンガリー系移民共同体の内部でも話される。
ウラル語族のフィン・ウゴル語派に分類され、フィンランド語やエストニア語と同系統の言語であるが、意思の疎通がほとんどできない程度の隔たりがある。ヨーロッパで話される諸言語の多くが属するインド・ヨーロッパ語族とは系統が異なるため、日本ではしばしば「アジア系の言葉」と呼ばれる。
文字は、ラテン文字を表記方法として採用しており、母音を書記素として表記するのにいくつかの区分符号を使用している。
ハンガリー語は、形態的には膠着語に分類され、母音調和の原則を持つ点で、同じウラル語族のフィンランド語や、アルタイ諸語と呼ばれるトルコ語、モンゴル語などと共通する特徴を持つ。
膠着語であるハンガリー語における名詞の格変化は、名詞に20種類近くある格を示す接尾辞(格語尾)を膠着させて(語尾にくっつけて)示す。
また、所有接尾辞を名詞の語尾に膠着させてその名詞の所有者を示す。例を挙げると、
動詞の活用は定活用(客体変化)と不定活用(主体変化)のニ種類がある。目的語をとり、その目的語が単数の三人称であり、かつ定義済みのものであれば、動詞は定活用を行い、それ以外ならば不定活用を行う。文法
のようになる。
| 短母音 | 長母音 | |
|---|---|---|
| 後母音 | a o u | á ó ú |
| 前母音 | e i ö ü | é í ő ű |
ハンガリー語の母音は、調音(発音)するときの舌の位置によって前母音(i, e, ö, ü)と後母音(a, u, o)の二種類に分類され、またそれぞれの母音に音価が短、長の二種類があって、区分符号(´ ˝)を付けて区分する。また、前母音のうちö, üを特に円唇母音と言う。
膠着語であるハンガリー語の母音調和は、ある語(名詞や動詞の語幹など)の末尾に、付属語(格語尾や所有接尾辞などの名詞接尾辞や、動詞の活用語尾)を膠着する際に、接尾される語の母音によって接尾辞の母音が影響を受けるという形であらわれる。このため、ハンガリー語の接尾辞には、数種類の異なった形が存在する。
例えば、方向格(~の上へ)を示す格語尾は、
外来語や複合語(例えば、Buda と Pest からなる複合語 Budapest(ブダペシュト))など、前母音と後母音の両方を持った語に付属語が膠着する場合は、その語の最後の音節にある母音に調和する。Budapest の場合は、前母音の'e'が最後の母音であるから、必ず前母音の接尾辞が膠着し、Visegrád(ヴィシェグラード)の場合は、後母音の'á'が最後の母音であるから、必ず後母音の接尾辞が膠着する。
つまり、地名のブダ、ペシュト、ブダペシュト、ヴィシェグラードにそれぞれ日本語の「~へ」にあたる付属語をつける場合、