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ドイツ料理というようなものがあるのか、とドイツ人に聞けば、大方の人たちは笑うかもしれない。イタリア料理、フランス料理といった料理の様式としての「ドイツ料理」というものは、ほとんどないに等しい。
「ドイツの料理」とは、フランスやイタリアなど文化の花開いた国々に比べれば、遅れた、風土的にも食材に恵まれない国の、それなりの食の工夫の表れである。
またフランス革命後、旧貴族やそれに関係した人々が多くドイツに移ってきたため、彼らの影響で一部の変化はあった模様である。
また、新大陸発見といった地理上の発見の時代に、南米からもたらされたジャガイモは、長い不作の時期、ドイツの民衆の飢えを満たす上で多大な貢献があった。当時の食糧不足からくる口減らしの悲劇は、グリム童話の子捨てや姥捨て話の中にその痕跡を残している。以来、ドイツの料理では、ジャガイモを使った料理が必須のメニューに数えられる。
女の子は、ジャガイモでフルコースの料理が出来るようになれないとお嫁にいけない、という言葉があるくらい、ジャガイモは大きな役割をもっている。
あとは、保存食としてのニンジンなど各種野菜の酢漬け(ピクルス)、保存された肉や魚の加工や調理が軸になる。魚料理には、白身魚のフライとウナギの燻製くらいしか見るべきものがない。