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同人誌

同人誌どうじんし)とは、同好の士によって作成された雑誌のこと。同人雑誌とも言う。文学などの著述や漫画が多い。本来、必ずしも商業的な利益を目的としない。

Table of contents
1 ジャンル
2 発行形態
3 関連項目

ジャンル

散文

小説、特に近代の日本文学では、主に純文学において、同じ思想を持つ人が集まり同人誌を発行した。尾崎紅葉ら硯友社の人々によって作られた『我楽多文庫』は日本最初の同人誌である。硯友社には山田美妙、川上眉山、巖谷小波、広津柳浪などの人々が集い、当時の文学界で大きな存在感を示していた。他には武者小路実篤・志賀直哉・有島武郎らによる「白樺」などが有名である。しかし純文学系の同人誌はその後衰退し、文壇への影響も微小なものになった。エンターテイメント系では、小松左京筒井康隆星新一など著名な執筆者が見られる日本最古のSF同人誌「宇宙塵」などが挙げられる。SFにおいては同人誌から育った作家も多く、その点では漫画同人誌との類似も見られる。

韻文

俳句短歌界にも同人誌は見られる。(書きかけ)

漫画・アニメ

文学界に遅れて、漫画界においても漫画家志望者の同人によりサークルが形成され、同人誌が発行されるようになる。それまでも知り合い同士が原稿を見せあう事はあったが、同人が地域を越えたのは、1953年石ノ森章太郎が月刊誌漫画少年の投稿仲間を集め「東日本漫画研究会」を作ったあたりからと見られる。その後、1967年に発刊されたこむ(COM・1971年休刊)の読者交流ページによって、漫画同人の結成がいっそう進んだ。初期には資金力の問題から主に\肉筆回覧誌で製作された。

こうした動きと並行して、1954年創部の明大漫研を始めとして大学の漫画研究会の創部が相次ぎ、それは高校にも波及する。これら学校系の漫研(以下学漫)は、相対的に豊富な資金力によってかなり初期からオフセットによる同人誌製作を行っていた。学校という場を共有しているだけの同人による学漫の同人誌は、近隣の飲食店や文具店の広告が入りがちで、内容はよく言えばバラエティに富んだ、悪く言えばバラバラな作品であることが多い(阿部川キネコの『辣韮の皮』1巻の巻末に収録された仮想の学漫同人誌にその特徴が捉えられている)。

これら創作系の同人とは別に、漫画ファンによるファンサークルや批評系サークルも作られ、1972年の『ガッチャマン』『海のトリトン』から活発化するアニメのファンサークルなども細々とではあるが同人誌を発行するようになる。

同人誌を頒布する機会はほとんどなく、僅かにSF大会や、学漫であれば文化祭などで頒布する以外は制作者近辺でしか流通しなかったが、1975年コミックマーケット開催により状況が一変。当初、32サークル、参加者700人で始まった同人誌即売会は、制作者と読者が同一であった同人の世界から、明確な読者という存在を作り出した。さらに翌年、同即売会の運営母体であった迷宮発行の『萩尾望都に愛をこめて』に掲載された萩尾望都作品のパロディー『ポルの一族』によって、エロ要素を含むパロディーが同人誌において重要な存在となっていく。

その後市場の拡大により同人誌印刷を行う印刷所も増え、それに伴う印刷コストの低減、コピー、プリンター等の低価格化によって、形態は多様化していった。同時に内容も、創作漫画、漫画批評、アニメファンジンに止まらず、パロディーやサブストーリー、エロチックな描写や小説など多様化した。1980年代前半にはロリコン、アニパロが、後半にはやおいがキーワードとなる同人誌が流行した。また、1990年代に入ると、グラフィックが十分な性能を備え出したことからかゲームに対しても、攻略、サブストーリー、エロパロなどの同人誌が増えていった。対象も広がり、鉄道コンピュータ、モバイル等あらゆる分野について、技術的な内容(特に裏情報)を深く掘り下げたもの、噂やパロディーなど商業誌では取り上げられない内容を扱うものも出現している。

本来は売上を気にせず趣味的に作られた同人誌だが、おたく人口の増大とマーケット拡大により、特に人気同人誌の売り上げ額は非常に大きくなった。加えて課税が曖昧だったことから、プロやセミプロの作家が同人誌で小遣い稼ぎをするという光景も見られ、同人誌における暗い面を表出させている。反面、商業誌で連載を持てなくなった作家が同人誌を発行したり、中断した単行本の続きを同人誌で発行するという形も見られ、商業化の問題は一筋縄ではいかない。なお、現在は税務署が同人誌の売り上げに対して個人事業税の納付を求める動きが活発化しつつある。それに対応して、プロが同人誌を出す場合、税理士に相談して原価と経費のみに収まるように発行している場合がままある。(同人誌で生活していると言える作家の場合、ページ数の少ない本を大量に発行することによって利益を得ている) こういった発行物を大量に仕入れ、ネットオークションや漫画専門の古書店に売りさばく転売屋と呼ばれる存在もある。

入手方法

元来、同人誌は発行同人に連絡をとって入手する。しかしそのためには同人誌を入手する必要があり、卵が先か鶏が先か的な問題が存在していた。そのため、関連する商業誌に紹介ページが用意されることが多い。また『宇宙塵』のような中核的同人誌に掲載されることで、他の同人の存在が周知されることもある。また、同人になることでしか入手できない場合、または講読会員という形で同人に所属することを必要とする場合もある。CLAMPを筆頭とする女性系サークルのように通販を一歩進めて、ニュースペーパーを発行するなど講読会員としての囲い込みを行うところも少なくない。

しかし同人と読者の乖離が進んだ漫画・アニメ・ゲームの世界では、コミックマーケットを初めとする同人誌即売会での入手が一般的である。同人誌を専門に扱う書店(同人ショップ)などでも購入が可能であるが、多くは流通コストから高価格になりがちである。ネットでの販売も行われており、デジタルで作成されたデータをPDFで頒布することもある。

関連用語

発行形態

印刷方法によって主にコピー誌とオフセット誌に分類される。過去にはこれ以外の形態も見られた。現在ではCD-ROMやPDFによる頒布・販売も行なわれており、同人誌という言葉の「誌」の意味が曖昧になりつつある。

以下に、一般的な同人誌について1で、漫画系同人誌について2で触れることにする。

関連項目





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