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物理学

物理学ぶつりがくPhysics)は、広い意味で自然の科学である。

人間の五感によって捉えられる自然現象のうち、物体運動色彩音響電気磁気天体の諸現象(物理現象)とその法則の研究を、出発点にしている。

近年では、これらの諸現象は、物質を構成する原子やその構成要素である電子原子核のような物質粒子及びそれらの間に働く数種類の力の作用によって説明できることが 分かっており、現象が演じられる舞台と見られていた空間時間重力の理論(一般相対性理論)によって、物質の存在と密接に関係していることが分かっている。 このため、現代の物理学者は、物理現象を物質とエネルギーの振る舞いと相互作用として研究する。

物理学の理論は一般に数学的な関係式として表される。確立した理論はしばしば物理法則と呼ばれる。

物理学の歴史は一見異なって見える現象を、同一の法則の異なる側面であるとして、統一的に説明していく歴史でもある。 古くは、地上付近での物体の落下との運動を同じ万有引力によるものとしたニュートンの重力の理論、電気と磁気が相互に転換することでその同質性を認識させたアンペールやファラデーの法則、光が電気と磁気のであることを示したマクスウェルの理論などがあり、近年では、重力を一般化された慣性の法則ととらえたアインシュタインの一般相対性理論、電磁気力弱い力を同じ力の異なる側面として説明したワインバーグ・サラム理論がある。 しかし、今のところ、全ての物理現象を一つの法則で説明できるような、究極の物理法則(力の統一理論)は分かっていない。

物理学はほかの自然科学と密接に関係している。 生物を含む全ての物質が原子で構成されており、原子は量子力学の法則に従うという意味では、物理法則は全自然現象を根底的なところで規定している、と言うことができる。

特に化学とは分子科学と分子がバルク中で形成する化学化合物の科学と関係深い。 化学は理論的には、量子力学、熱力学電磁気学などの多くの物理分野に基づいて記述される。 しかし、化学現象は変化に富んでいて複雑であるため、化学は独自の学問領域を構成している。 この関係は、生物学分子生物学により化学の一分野に還元されないのと同じである。

以下に主要な物理分野と物理概念を示す。それに続いて物理とその分野の簡単な歴史を述べる。総合的なものとして、物理学用語一覧がある。

Table of contents
1 主要な物理分野
2 物理概念
3 図表
4 物理学の概略史
5 今後の方向性
6 関連項目
7 参考文献

主要な物理分野

基礎分野

専門分野

関連分野・境界領域

手法

物理概念

物理量

空間

基本的な4つの力

物質とはなにか

図表

物理学の概略史

自然哲学

古代から人々は物質の振る舞いを理解しようと努めていた。なぜ支持しない物は地面におちるのか?なぜ異なった物質は異なった性質を持つのか?など。
宇宙の特徴はまた神秘であった。地球の成り立ちや太陽といった天体の動き。いくつかの理論が提唱されたが、そのほとんどは間違っていた。それらの理論は哲学の言葉でおおむね述べられており、系統だった試行的な試験によって変えられることはなかった。例外として、たとえば、古代ギリシャの思想家アルキメデスは力学と静水学に関して多くの正確で定量的な説明をした。

近代科学

16世紀後半に、ガリレイは物理理論を立証するために実験を用いた。実験は科学的研究法における重要な概念である。ガリレイは力学に関するいくつかの結果を定式化し、成功裏に試験した。とくに、慣性の法則について。1687年ニュートンプリンキピアを出版した。それは二つの包括的かつ成功した理論を詳述していた。その一つ、ニュートンの運動方程式古典力学の起こりとなった。もう一つ、万有引力の法則は基本的な力である万有引力を記述する。両理論は実験と良く一致した。ラグランジュハミルトンらは古典力学を徹底的に拡張し、新しい定式化、原理、結果を導いた。重力の法則によって宇宙物理学の分野が起こされた。宇宙物理学は物理理論をもちいて天体現象を記述する。

18世紀から、ボイルヤングら大勢の学者によって熱力学が発展した。1733年に、ベルヌーイが熱力学的な結果を導くために古典力学とともに統計論を用いた。これが統計力学の起こりである。1798年に、トムソンは力学的仕事が熱に変換されることを示した。1847年に、ジュールは力学的エネルギーを含めた熱についてのエネルギーの保存則を提示した。

電磁気学の発達

電気と磁気の挙動はファラデー、オーム、他によって研究された。1855年マクスウェルマクスウェル方程式で記述される電磁気学という単一理論で二つの現象を統一的に説明した。この理論によって光は電磁波であると予言された。

1895年に、レントゲンX線を発見し、それが高振動数の電磁波であることを明らかにした。放射能はベクレルによって1896年に発見された。さらに、ピエール・キュリーマリ・キュリーほかによって研究された。これが核物理学の起こりとなった。

1897年に、J.J.トムソンは回路の中の電流を運ぶ素粒子である電子を見つけた。1904年に、原子の最初のモデルを提案した。それはプラムプリン模型として知られている。(原子の存在は1808年ドルトンが提案していた。)

現代物理学

1905年に、アインシュタインは特殊相対性理論を定式化した。その中では時間と空間は時空という一つの実体に統一される。相対性理論は古典力学とは異なる慣性座標系間の変換を定める。それ故、古典力学の置き換えとなる相対論的力学を構築する必要があった。低(相対)速度領域においては二つの理論は一致する。1915年に、アインシュタインは特殊相対性理論を拡張し、一般相対性理論で重力を説明した。それはニュートンの万有引力の法則を置き換えるもので、低質量かつ低エネルギーの領域では二つの理論は一致する。

1911年に、ラザフォードは散乱実験から陽子と呼ばれる正の電荷の構成物質でぎっしりと詰まった原子核の存在を推定した。中性の核構成物質である中性子は1932年にチャドウィックによって発見された。

1900年代初頭に、プランク、アインシュタイン、ボーアたちは量子論を発展させ、離散的なエネルギー準位の導入によってさまざまな特異な実験結果を説明した。1925年ハイゼンベルクらが、そして1926年シュレーディンガーディラックが量子力学を定式化し、それによって前期量子論は解釈された。量子力学において物理測定の結果は本質的に確率的である。つまり、理論はそれらの確率の計算法を与える。量子力学は小さな長さの尺度での物質の振る舞いをうまく記述する。

また、量子力学は凝縮物質の物理の理論的な道具を提供した。凝縮物質の物理では結晶構造、半導体性、超伝導といった現象を含む固体液体の物理的振る舞いを研究する。凝縮物質の物理の先駆者であるブロッホは結晶構造中の電子の振る舞いの量子力学的記述を1928年に生み出した。

第二次世界大戦の間、核爆弾を作るという目的のために、研究は核物理の各方面に向けられた。ハイゼンベルクが率いたドイツの努力は実らなかったが、連合国のマンハッタン計画は成功を収めた。アメリカでは、フェルミが率いたチームが1942年に最初の人工的な核連鎖反応を達成し、1945年にニューメキシコ州のアラモゴードで世界初の核爆弾が爆発した。

場の量子論は、特殊相対性理論と整合するように量子力学を拡張するために定式化された。それは、ファインマン、朝永、シュウインガー、ダイソンらの仕事によって1940年代後半に現代的な形に至った。彼らは電磁相互作用を記述する量子電磁力学の理論を定式化した。

場の量子論は基本的な力と素粒子を研究する現代の素粒子物理学の枠組みを提供した。1954年にヤンとミルズはゲージ理論という分野を発展させた。それは標準模型の枠組みを提供した。1970年代に完成した標準模型は今日観測される素粒子のほとんどすべてをうまく記述する。

今後の方向性

2003年時点において、物理学の多くの分野で研究が進展している。

スーパーカミオカンデの実験からニュートリノの質量が0でないことが判明した。これは標準模型では記述できない。質量のあるニュートリノの物理は現在理論と実験の活発な研究領域である。今後数年で粒子加速器はTeV(テラ・電子ボルト)領域のエネルギー尺度を探査し始めるだろう。実験屋はそこでヒッグス粒子や超対称性粒子の証拠を見つけられるのではないかと期待している。

量子力学と一般相対性理論を量子重力の単一理論に統合するという半世紀以上におよぶ試みはまだ結実していない。現在の有望な候補はM理論とループ量子重力である。

多くの天文現象がまだ説明されていない。超高エネルギーの宇宙線と銀河の異常回転速度の存在などである。これらの問題を解決するために提案されている理論としては二重特殊相対論、修正ニュートン力学、暗黒物質の存在などがある。加えて、過去数十年の天文予測は宇宙の膨張が加速しているという最近の証拠によって否定された。

凝縮物質の物理において、最大の未解明の理論的問題は高温超伝導の説明である。実用的なスピントロニクス量子コンピュータを作ることにおもに実験による力が注がれている。

関連項目

参考文献

  • 広重徹 ; 物理学史 I, II ; 培風館 ; (1968).

nds:Physik




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