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真空管(しんくうかん)は、電子管の一種で、整流、増幅などの作用を持つ電子回路用の素子である。
真空にしたガラス(金属・セラミックなども使われる)管に電極が封入されるところから真空管(Vacuum tube)の名を持つが、他に電子管(Electronic tube)あるいは熱電子管(Thermionic valve)、 Radio valveなどの別名がある。日本では「球」(きゅう、たま)と呼ばれることもあり、「5球スーパーラジオ」(真空管を5本使用したラジオ受信機の代表例)などの使われ方があった。
概要
エジソンが電球の実験中に発見したエジソン効果(1884年)が端緒となり、その後フレミングが発明(1904年)した素子が二極真空管(二極管)で、三極真空管(三極管)は、ド・フォレストが発明(1906年)した。
熱で暖めた金属の表面から放出される熱電子を利用、制御して、整流、検波(二極真空管)、増幅(三極真空管)などを行うことができる。構造上熱源が必要(←電力を消費)で、小型化も困難であったため、トランジスタが発明されると、次第にそれに取って代わられることとなった。
二極真空管(二極管)はガラス管の中に、フィラメント(電気抵抗の比較的大きい電線で、両端を外部に引き出してある)と、フィラメントに向き合う板状の電極(形状からプレートと呼ぶ)を封入したものである。
真空中でフィラメント電極に電流を流すと加熱され、熱電子が放出される。このとき、フィラメントを基準にしてプレート(陽極)側に正電圧を与えると、放出された熱電子は正電荷に引かれ陽極に向かって飛ぶ。この結果フィラメントからプレートに向けて電子の流れが生じる。すなわち、プレートからフィラメントに向かって電流が流れることになる。また、プレートに負電圧を与えると熱電子は負電荷に反発してプレートには達しない。従って、二極管はプレートからフィラメントに向かう電流のみ通すことになり、整流効果が得られる。
模式図では電極を並列に書いてあるが、実際の製品ではフィラメントを取り囲むような、筒状のプレートをもった構造が普通である。
二極真空管はダイオードと呼ばれたが、今日では同じ機能を持った半導体素子を「半導体ダイオード」、あるいは単にダイオードと呼ぶのが普通である。
二極管のフィラメントとプレートの間に粗い網状の電極(形状からグリッドと呼ぶ)を配置する。二極管と同様にプレートに正電圧を加えるが、グリッドの網目は粗いので電子は通り抜けることができる。しかし、グリッドに対し負電圧を印加すると、フィラメントで発生した熱電子がプレートに達するの妨げる働きを持つ。グリッド電圧を変化させるとプレート=フィラメント間の電流が変化する。ここでプレートと電源との間に負荷抵抗を入れるとプレート電流の変化に応じた電圧が負荷抵抗の両端に発生する。
適切な設計により、グリッド電圧の変化より負荷抵抗の端子電圧の変化を大きくすることができるので、三極管は電圧増幅機能を持つことになる。
(四極管、五極管などは別途)
フィラメントを用いず、筒状の金属管を陰極(カソード)とし、その内側に絶縁した加熱用の電線(ヒーター)を内蔵することで熱電子の放出を効率化するとともに、陰極とヒーター回路を分離することができ回路設計の自由度を増すことができる。こうした構造を「傍熱管」、フィラメントを陰極に用いる構造を「直熱管」と呼ぶ。整流や電力増幅用の大電流を流す用途の一部を除き、傍熱管のほうが広く用いられた。
ほとんどの用途では使用されなくなった真空管だが、現在でもブラウン管等の限られた用途では使用されている。動作原理
二極真空管による整流作用

二極真空管の模式図三極真空管による増幅作用

三極真空管の模式図その他