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環論は環について研究する代数学の一分野である。形式的に、可換環論と非可換論に分けることができる。代数幾何学や整数論とは直接の関係があるが、その他数学のほとんどの分野で広く応用されている。
この記事では、環, 単位的環(ユニタリー環), 可換環と非可換環, 零元, 整域, 部分環, 剰余環, 環の凖同型・同型, 単項イデアル環・単項イデアル整域, ユークリッド整域, 単元(可逆元), 単元群(単数群), 既約元について順次説明している。
| Table of contents |
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2 例 3 定義からすぐに出る結果 4 環に関する概念 5 関連記事 |
定義
環とは、二つの二項演算(加法と乗法と呼ぼう)によって定まる代数的構造を備えた集合であって、整数のような性質を持つものである。詳しくいうと、次のようになる。
環 R とは、加法 (+) についてアーベル群であり、更に乗法 (*) に関して任意の R の元 a, b, c が次の性質を持つものである。
R が乗法について可換であるとき: すなわち R の任意の元 a,bが
演算の記号 * は普通省略されて、a * b は、ab と書かれる。
環 R のある部分集合 S が単位元 1 を含み、加法について部分群で、さらに乗法についても閉じているとき、S を部分環という。
R の部分集合 I が加法について閉じていて、RI := { ri | r ∈ R, i ∈ I }, IR がともに I の部分集合になるとき、I をイデアルという。x - y∈I で R に同値関係を定義する。同値類の間に自然に演算を定義できて、環になることが分かる。この環を R の I による剰余環といい、R/I と書く。環 R1 から環 R2 への準同型 f とは、
整域 R について、任意の元 x, y について大きさ(正確には整列集合への写像)が決まっていて、x が零でないとき
a が逆元を持つとき、すなわち aa-1 = a-1a = 1 となるような a-1 が存在するとき、a を単元(可逆元)という。
環の単元の全体はの乗法について群をなす。これをの単元群と呼び、またはのように書かれる。
が体である場合にはである。
零でない c に対して、ab = c が成り立つならば a または b のどちらかが必ず単元になるとき、c を既約元という。
例
これはブール環??の例である。
定義からすぐに出る結果
a0 = 0a = 0 である。なぜなら、0 = a0 - a0 = a(0 + 0) - a0 = a0 + (a0 - a0) = a0 + 0 = a0 であるからである。0a = 0 も同様。
単位元的環について、1 = 0 とすると任意の元は 0 に等しい。なぜなら、a = a1 = a0 = 0 であるからである。従って、単位的環を扱うときは 1 と 0 が等しくないことを仮定するのが普通である。
-a = (-1)a, (-a)(-b) = 0 なども整数と同じように成り立つ。環に関する概念
以下、環は乗法の単位元 1 を持つとする。
a がある b に対して ab = 0 となるとき a を左零元という。右零元も同様にして定義される。0 以外に零元が存在しないとき、この環を整域という。
が成り立つような写像のことである。ここで、1 は R1 の単位元、 1' はR2 の単位元をそれぞれ表す。f が全単射であるとき、同型(写像)と呼び、R1 と R2 は同型であるという。準同型の核はイデアルになることが分かる。さらに、次の準同型定理が成り立つ;
イデアルがただ一つの元から生成されるとき、このイデアルを単項イデアルという。全てのイデアルが単項イデアルであるとき、この環を単項イデアル環という。さらに整域であれば、単項イデアル整域という。整数は単項イデアル整域である。
の双方が成り立つならば、R をユークリッド整域という。これは整数における剰余法則を言い換えたものであり、絶対値を用いて大きさを決めれば整数はユークリッド整域になる。ユークリッド整域は単項イデアル整域である。関連記事