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関数 (function)(または写像 (mapping, map) )とは、二つの集合 A,B が与えられたときに( A や B はなにも数の集合には限らない)、任意の A の元 a に対してただひとつの B の元 b = f(a) を指定するような規則 f のことをいう。このような時、f を A から B への関数であるといい
| Table of contents |
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2 自明な関数 3 関数の合成 4 全射・単射・全単射 5 逆関数 |
一次関数や二次関数のグラフは誰もが馴染み深いものであろう;多くの高校生が、二次関数の頂点を求める計算を何度も繰り返すという経験を共有している。関数にはグラフがつきまとうものである。しかも、グラフは規則やら指定などといった言葉を要さずに、単純に集合としてみることができる。それを逆に利用して、グラフを使って関数を定義するというのが、集合論的な関数の定義の指針である。ただ、注意すべきなのは、二次関数 f(x) = x2 が実数から実数への関数なのか、実数から0以上の実数への関数なのか、というのを区別できるようにしたい。これらを踏まえて、集合論では関数は次のように定義される;
となる。
合成関数について、
が成り立つ:すなわち、関数の合成は結合法則を満たす。このことから、次のことが分かる;
A からそれ自身への関数全体の集合はモノイドをなす。このモノイドを M(A) と表す。
であることが分かる。
A からそれ自身への全単射全体の集合を S とすると、関数の合成は結合法則を満たし、また任意の全単射が逆写像を持つから、これは群をなす。このような群を S(A) と表す。特に A が有限集合の場合、A の基数(濃度、元の数のこと)を n とすると、S(A) のことを n 次対称群という。
カテゴリー論では全射と単射はこのようにして定義される。
集合論的な関数の定義
集合 A(始域と呼ぶ)、B(終域と呼ぶ) が与えられたとき、その直積 A×B の部分集合 Gf (これをグラフと呼ぶ)ともと集合との三つの組 f = (Gf, A, B) は、ある A の元に対していくつかの B の元を指定するような対応を表す。そのためには、Gf の元 (a,b) は a が b に対応することを表す、とみればよい。prA(Gf) := {a | (a,b)∈Gf } を定義域とよぶ(pr は projection からとったものである。詳しくは、射影の記事をを参照)。
この Gf の元 (a,b) について、
が成り立てば、その b を f(a) と書き、 f = (Gf, A, B) を関数という。 二つの関数が等しいとは、それらを集合としてみたときに等しい、というのと同じである。
対応としてみれば、関数は一意対応と同じことである。ただしその場合、 b = f(a) は {b} = f(a) の略記であると理解する。自明な関数
関数の合成
関数 f, g を
とする。B が C の部分集合であるとき、A の任意の元 a に対してg(f(a)) はある一つの D の元になる。こうして決まる関数を f と g との合成関数といい、と表す。上の集合論的な定義からは
が合成関数のグラフであり、全射・単射・全単射
逆関数
f をAからBへの全単射とする。f(a) = b によって、b を a に対応させると、f は全射だから、全ての b がある a に対応していて、f が単射であることからそのような a は一つしかないことが分かる。こうして作られる関数を f の逆関数(または逆写像)といい、 と表す。構成から、について、f と g が合成可能で、 が全単射であったとしよう。すると、任意の D の元 d に対してある C の元 c が対応していて g (c) であるから、結局 g は全射であることが分かる。さらに、f が単射でなければ、 も単射でないことが容易に分かるので、(対偶をとって)仮定から、f が単射であることが分かる。
このことの逆も次の意味で成り立つ。
が全射であるとき、(選択公理を仮定すると)ある B から A への関数 r が存在して合成
今度は
が単射であるとしよう。このとき、ある B から A への関数 l が存在して合成
この二つの事実には、正確に逆が成り立つ。従って、全射と単射を次のように定義することもできる;
関数 f が右逆写像を持つとき、f を全射といい、f が左逆写像を持つとき、f を単射という。