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装置完成当初は、その性能や原子レベルの観測結果に懐疑的な意見もあったが、1983年に、それまで構造の解明がなされず、30年近く論争の的となっていたシリコンの(111)表面における7×7再構成構造を決定する重要な手がかりをSTMの観測結果が与えたことから、その性能と信頼性の高さが認められるようになった。
表面の走査は、圧電素子を使って行われる。STMの探針は、表面から染み出す波動関数を敏感に感じ、それは探針‐表面間の距離に対し指数関数的に効く。従って、原子一個から数個分の距離でもトンネル電流の量は大きく変化する(0.1 nm = 1 Åの差でトンネル電流の値が一桁も変わり得る)。このことから、探針の最先端の原子一個が表面の電子状態(波動関数の染み出し)を最も感じていることとなり、これが原子レベルの観測を可能にしている。また、観測されるのは染み出した波動関数からによるトンネル電流であり、表面の原子レベルの凹凸を直接見ている訳ではない。
観測方法は、探針と表面の距離を一定に保つものと、トンネル電流を一定に保つものに大別される。また、条件により大気中や液体中での観測も可能である。
STM完成の功績により、ビーニヒ(ビニッヒ、ビーニッヒなどとも言う)とローラーは、1986年、ノーベル物理学賞を受賞している。