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電子顕微鏡

電子顕微鏡(でんしけんびきょう、Electron microscope)とは、通常の顕微鏡光学顕微鏡)では、観察したい対象に光(可視光線)をあてて拡大するのに対し、光の代わりに電子電子線)をあてて拡大する顕微鏡のこと。電子顕微鏡は、物理学化学工学生物学医学(診断を含む)などの各分野で広く利用されている。

Table of contents
1 特徴
2 種類
3 関連項目

特徴

  • 高倍率の観察が可能
光学顕微鏡で拡大できる倍率の限界は、
可視光線波長によって理論的に4000倍程度までに制限されており、それより小さな対象(例:ウイルス)を観察することはできない。一方、電子顕微鏡では、電子線の持つ波長が可視光線のものよりずっと短いので、理論的には倍率を最大で50万倍程度まで上げることが可能(透過型電子顕微鏡の場合)である。光学顕微鏡では見ることのできない微細な対象を観察(観測)できるのが利点である。現在では、高分解能の電子顕微鏡を用いれば、原子レベルの大きさのものを観察(観測)可能である。

電子線を発生させるのに用いられる電子銃の性質から、数キロボルトから数百キロボルト、時にはそれ以上の高電圧が必要である。また、安定した電子線のため、顕微鏡内は、真空に保たれていなければならない。したがって、高電圧の発生装置や真空ポンプ、顕微鏡自体は耐圧構造でなければならないなど、装置が大がかりになりがちで専用の部屋が必要なほどである。市販されている電子顕微鏡の価格も種類によって数百万円から数千万円程度である。

種類

電子顕微鏡には、大きく分けて下記の2種類がある。

観察対象に電子線をあて、それを透過してきた電子を拡大して観察する顕微鏡。対象の構造や構成成分の違いにより、どのぐらい電子線を透過させるかが異なるので、場所により透過してきた電子の密度が変わり、これが顕微鏡像となる。電磁コイルを用いて透過電子線を拡大し、電子線により光る蛍光板にあてて観察したり、フィルムやCCDカメラで写真を撮影する。観察対象を透かして観察することになるため、できるだけ薄く切ったり、電子を透過するフィルムの上に塗りつけたりして観察する。

観察対象に電子線をあて、そこから反射してきた電子(または二次電子)から得られる像を観察する顕微鏡。走査型の名は、対象に電子線を当てる位置を少しずつずらしてスキャン(走査)しながら顕微鏡像が形づくられることから。電子は検出器に集められ、コンピュータを用いて2次元の像が表示される。
対象の表面の形状や凹凸の様子、比較的表面に近い部分の内部構造を観察するのに優れている。観察対象が導電性のないものの場合、電子線をあて続けると表面が帯電してしまい、反射する電子のパターンが乱れるため、観察対象の表面をあらかじめ導電性を持つ物質でうすくコーティングしておくことが行われる。

また、両者の特徴を合わせ持つ走査型透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM)も近年注目されつつある。

関連項目





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