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表現主義(ひょうげんしゅぎ)または表現派(ひょうげんは)とは、様々な芸術分野(絵画、文学、映像、建築など)において、一般に、感情を作品中に反映させ、現実をねじまげて表現する傾向のことを指す。また、この語は、感情の中でも特に不安や葛藤などをあらわしたものを指すことが多い(表現主義の作品で、陽気で快活なものはあまりない)。この一般的な意味では、表現主義的傾向を持った作品を生み出した芸術家は様々な時代に存在した。例えば、ルネサンス期のエル・グレコ、マティアス・グリューネヴァルトなどはこれに含めて考えることができる。
しかし、狭い意味の表現主義は、20世紀初頭にドイツにおいて生まれた芸術運動であるドイツ表現主義(またはドイツ表現派)およびその影響を受けて様々に発展した20世紀以降の芸術家やその作品について使われることが多い。これには、抽象表現主義などが含まれる。
| Table of contents |
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2 美術 3 音楽 4 演劇 5 建築 6 映像 7 関連 |
ドイツ表現主義
ドイツ表現主義は、20世紀初頭にドイツで起こった一大芸術運動である。この感情表現を中心とする手法は、当時、他のヨーロッパの国々で盛んであった印象派(物事の外面的な特徴を描写する)とは対極に位置する。表現主義は、第1次世界大戦すぐに、他の運動へと受け継がれていった。例えば、構成主義、新即物主義、そして後の抽象表現主義、超写実主義である。
ドイツ表現主義の作品において、よく扱われるテーマは、生活の矛盾(性的なもの、家族間のものなど)から、革命、戦争、社会の矛盾など、いわば既存の秩序や市民生活に対する反逆を目指したものが多い。ドイツ表現主義においては、伝統的な芸術の様式は破壊され、また自然主義とは正反対の立場をとる。表現主義者は、ニーチェに思想的な影響を受けているとされる。
美術
20世紀のドイツ表現主義の画家に直接的な影響を与えたのは、ファン・ゴッホであった。20世紀初頭のドイツには、青騎士やブリュッケなど、いくつかの表現主義の画家のグループがあった。
ドイツ表現主義の画家には、
また、主な活動の場がドイツ以外であり、ドイツ表現主義には含められていないが、同時代、表現主義の画家として知られているのは、
音楽
音楽では、アルノルト・シェーンベルク、アルバン・ベルクが表現主義的な作品を残している。小説においては、フランツ・カフカが表現主義者であると評されることが多い。
表現主義的な、こうした極端な非現実的な映画の短い流行は、ダダと共に数年で廃れていった。しかし、表現主義映画のテーマは、1920年代、1930年代の映画において、雰囲気を強調するための背景・ライティング・影の配置の芸術的なコントロールの形で受け継がれた。この映画製作の流れは、ナチスの勢力拡大とともにアメリカにも伝わり、数多くのドイツの映画製作者がハリウッドに移り、アメリカの映画界に受け入れられた。特に表現主義の映画に大きな影響を受けたのは、ホラー映画とフィルム・ノワールであった。例えば、カール・レムリとユニバーサルスタジオは、ロン・チャニー主演『オペラ座の怪人』(『The Phantom of the Opera』)で有名になり、『魔人ドラキュラ』(1931, 『Dracula』)の撮影をしたドイツ移民のカール・フロイントは、暗く芸術的にデザインされたセットで、1930年代のユニバーサル映画の怪物物のスタイルを築き、後の世代のホラー映画に多大な影響を与えた。また、フリッツ・ラングやマイケル・カーティスは、1940年代の犯罪ものに表現主義的手法を取り入れ、この路線の映画に影響を与えた。演劇
20世紀初頭、ゲオルグ・カイザー、エルンスト・トラーらを中心としたドイツの演劇で盛んであった。建築
建築では、ドイツ、ポツダムのアインシュタイン・タワーの設計者、エリッヒ・メンデルゾーンが表現主義的な建築家として知られる。表現主義の建造物は有機的な特徴をもつ。映像
映像における表現主義は、1920年代にドイツで発展した。第1次世界大戦後の復興期にドイツ映画はブームを迎えたが、豪華で贅沢なハリウッド映画に太刀打ちするのは経済的な状況から難しかった。ドイツの映画制作会社UFAスタジオは、予算不足を補うため、映画に象徴的な演出を施し、ある種のムードや意味を付与する試みが行われた。最初の表現主義的な映画として、
などが挙げられる。これらの映画では、ストーリーが非常に象徴的に、故意に超現実主義的に描写されている。1920年代前半の芸術界は、ダダが席巻しており、ヨーロッパ文化の各方面は、新しい思想や芸術スタイルの実験を通して未来を展望する変革を受け入れていた。これら最初の表現主義的な映画のセットには十分な予算がつぎ込まれた。セットデザインは、でたらめで現実味がなく、幾何学的に狂っていて、また壁面や床には光や影などを表す塗装が施された。表現主義の映画では、狂気、精神異常、背信、などの「知的な」テーマが取り扱われた。