|
|
陰茎(いんけい)、ペニスとは、体内受精をする動物の雄にあって、体から突出しているか、あるいは突出させることができる器官。精子を雌の体内に直接送りこむ際に、これを雌の生殖器に挿入するのに用いられる性器(交接器)である。雄の生殖器、特に外性器のうちのひとつ。
哺乳類の陰茎には、尿道が通っているのが特徴である。尿道には、精子を含む精液と、尿との両方が流れる。したがって、陰茎は、性器であると同時に泌尿器の働きももっている。陰茎は、性行為の際に海綿体が充血して勃起することで女性器に挿入するだけの硬さを持つようになる。
陰茎は、左右の脚の間の前面から前方に突出する棒状の構造物である。
性的に興奮すると、副交感神経を通じて血流が調節され、この静脈洞に血液が貯留され、静脈を介して流れ出しにくくなる。これにより、海綿体は血液が満ちて大きく膨張して硬くなる。したがって、陰茎全体も硬く大きくなる。これを陰茎の勃起と呼ぶ。
非勃起時の小さい陰茎、特に寒冷時などで陰茎が縮んでいる場合、陰茎の皮膚はそれほど縮まないため、幾分あまる。したがって、陰茎皮膚が陰茎の先端方向に折れ曲がって亀頭の一部が覆われる形になる人が多い。この部分の陰茎皮膚を包皮と呼ぶ。勃起時には、陰茎が長くなるため、包皮は伸ばされ、亀頭は完全に露出する。
一方、精子の通り道は、精管の端の射精管が尿道に、膀胱を出たばかりの場所で接続されており、ここで尿道に合流する。この部位の尿道は、前立腺の中を貫通している。前立腺は、もうひとつの分泌線である精嚢と同様、精液の成分のほとんどを分泌する腺で、尿道を通る際に精液が精子と混ぜ合わされてから体外に射出される。
尿の排泄は、膀胱の壁の筋の収縮によって起こる。精液の射出は、射精管、前立腺の壁の筋の収縮によって起こる。いずれも、これらを下腹部に力を入れて我慢する際には、陰茎よりも上流(内部)に相当する部位(尿生殖隔膜部)の尿道にある尿道括約筋を収縮させることで行われる。
ヒトの陰茎
構造と機能
海綿体
陰茎の内部には、左右1対の陰茎海綿体と、その下側にあり中に尿道が通る尿道海綿体の、計3本の海綿体が通っている。海綿体は、陰茎の根元から先端まで続いており、また根元では会陰部へも伸びている。海綿体の内部は、蛇行する静脈洞が密集してスポンジ状になっていて、そこには陰茎深動脈から血液が運ばれる。亀頭と包皮
勃起時に最も硬くなるのは陰茎海綿体で、陰茎の硬さの元になっている。尿道海綿体はずっと柔らかい。尿道海綿体は、陰茎の先端部付近では、陰茎の外周よりも太くなり、亀頭を構成する。亀頭では、海綿体が皮膚のすぐ内側にまで存在している。亀頭部の皮膚はそれ以外よりもずっと薄くなっている。亀頭の皮膚、皮下には、感覚受容器が発達しており、性行為の際の摩擦に特に敏感である。尿道
尿道海綿体を通る尿道は、亀頭の下側を通り、陰茎の先端に達し、そこで体外とつながる(外尿道口)。尿道は骨盤内部で膀胱に接続されている。膀胱にたまっている尿は、尿道を通り、陰茎の先端から体外へ排泄される。陰茎の病気
勃起不全
ED (electile dysfunction) とも呼ばれる。陰茎の勃起は、副交感神経に依存しており、末梢神経障害、心因性、脊髄損傷などで勃起できなくなることがある。勃起不全により、性交に支障をきたす状態をインポテンツ(性的不能)と呼ぶ。包茎
亀頭を包む包皮が、勃起時以外は陰茎の長さに余って陰茎を包む形をとっていること。それ自体は病気ではない。特に、新生児~幼児は生理的包茎である。しかし、成人で包皮からの亀頭の露出部が狭小で陰茎の先端部(亀頭)を完全に露出できない場合(真性包茎)などは、性行為に支障をきたす場合もあり、また陰茎癌の発症リスクである。また、同じ場合に無理に亀頭を露出しようとして戻らなくなった状態は嵌頓包茎(かんとんほうけい)と呼ばれる。嵌頓包茎は亀頭を鬱血させ壊死させる恐れがあり、緊急切開を要する。尿路感染症
男性は、女性に比べて陰茎のぶんだけ尿道が長く(男性:十数 cm、女性:4 cm前後)、また肛門から外尿道口が離れているため、女性に比較して尿路感染症にかかりにくい。しかし、高齢になると、男性も前立腺肥大のため膀胱に尿が貯留する傾向となるため尿路感染症にかかりやすくなる。