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預言者(よげんしゃ)とは、神の言葉を預かり、人々に伝え広める者のこと。ヘブライ語のナビ(nabi, 「語るもの」の意)の訳語である。
唯一神との契約を重んじるアブラハムの宗教に特徴的な存在であり、旧約聖書に登場するモーセをはじめとするヘブライ人(ユダヤ民族)の宗教的指導者たちが、原初の預言者たちである。彼らユダヤ教で認められた預言者たちに続いてあらわれた預言者が、キリスト教やイスラム教などの基礎を打ち立てていった。
| Table of contents |
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2 キリスト教における預言者 3 イスラム教における預言者 4 バハーイーの預言者 5 「予言者」との相違 |
ディアスポラ後のユダヤ教徒たちは、西暦70年にエルサレム神殿が破壊されて以来、預言者はユダヤの民に下されなくなったのだと考えている。この世に預言者がなくなれば、神との契約は更新されることはありえないから、彼らはモーセの「旧い契約」に対して神と結んだ「新しい契約」と主張される新約聖書の内容を認めていない。
キリスト教は、元々はユダヤ教の伝統の中からあらわれたナザレのイエスが、人々を導く活動したことに始まる宗教であり、旧約聖書に記された預言者たちをユダヤ教と同様に預言者と認めるのに加え、イエスを預言者とみなす。
イエス死後のキリスト教会は、イエスを預言者にして救世主(この場合はイエス・キリスト)であると信ずるようになる。のちにキリスト教から派生したモルモン教などの新興宗教では、自派の指導者を預言者と見なしている。
ユダヤ教とキリスト教を取り入れて誕生したイスラム教においては、預言者(ナビー)は神の言葉を伝えて人々を正しい方向へ導く者のことであり、使徒(ラスール)とも呼ばれる。
イスラム教は、旧約聖書の預言者たちや、新約聖書のイエス(イーサー)も歴代の預言者として認めるが、イスラムを説いたムハンマドが最高最後の預言者であり、ムハンマドが神から預かり伝えた言葉がすなわちコーラン(クルアーン)であるとみなす。クルアーンはアラビア語によってアラブ人に伝えられた聖典であると同時に神自身の言葉をそのまま伝える唯一の聖典であるから、アラブ人以外の全ての人類が受け入れるべき最良の聖典であると考えられている。
イスラム教シーア派の十二イマーム派から分かれたバハーイー教は、ムハンマドに至るまでのすべてのアブラハムの宗教の預言者たちを認め、バハーイー教の始祖であるバハーウッラーも預言者の列に連なるひとりであるとする。
バハーイー教は、さらにブッダのようなアブラハムの宗教以外の宗教の始祖たちも唯一神の預言者であると説いており、アブラハムの宗教の潮流のみに留まらない普遍的世界宗教の性格を有している。
預言者と同音異義語に予言者がある。人の未来や運勢、事件を予言(予め言い当てる)する者である「予言者」は、神の言葉を預かる「預言者」とは異なる範疇に属する人々を指す言葉である。ただし、英語ではどちらも同じprophet という言葉で呼んでおり、そのためもあって誤って混用されることも少なくない。
もっとも、予言を信奉する人々の中には、ある予言者(例えばノストラダムス)は神の言葉を聞いて予言を行ったのだと見る人もおり、このような人はその予言者をあえて「預言者」と呼んでいる。
ユダヤ教における預言者
キリスト教における預言者
イスラム教における預言者
バハーイーの預言者
「予言者」との相違