音部記号
音部記号は楽譜に書かれている音楽記号の一種。ある位置に書かれている音符が何の音を示すのかを明示するために用いられる。
音部記号の名称には、その音部記号自体の名称と、音部記号の置かれた場所による名称とがある。
音部記号自体の名称にはト音記号、ヘ音記号、ハ音記号がある。
- ト音記号
ト音記号は、中央ハ音のすぐ上のト(G、ソ)の音の位置を示す音部記号。一般的には、高音部を記すために使われるが、低音部でもこの記号を使う場合がある。
- ヘ音記号
ヘ音記号は、中央ハ音のすぐ下のヘ(F、ファ)の音の位置を示す音部記号。一般的には、低音部を記すために使われる。
- ハ音記号
ハ音記号は、中央ハ(C、ド)の音の位置を示す音部記号。中音域の音を記すのに適している。
音部記号の置かれた場所による名称には次のものがある。
- 小ヴァイオリン(フレンチヴァイオリン)記号
ト音記号を五線の第1線に置く。すべての音部記号の中で最も高い音を示すのに適した記号であるが、滅多に使われることはない。
- ヴァイオリン記号
ト音記号を五線の第2線に置く。非常によく使われる記号である。一般にト音記号と言えば、この記号を指す。
- ソプラノ記号
ハ音記号を五線の第1線に置く。古典派以前の楽譜で、ソプラノパートを示すのに使われる他、音楽理論の学習に使われることがある。
- メゾソプラノ記号
ハ音記号を五線の第2線に置く。古典派以前の楽譜で、女声のパートを示すのに使われる。
- アルト記号
ハ音記号を五線の第3線に置く。古くアルトパートを表すのに使われたが、現代の楽譜でも、ヴィオラの楽譜は主としてこの記号を用いる。
- テノール記号
ハ音記号を五線の第4線に置く。古くテノールパートを表すのに使われたが、現代の楽譜でも、オーケストラではテノールトロンボーンの楽譜に主としてこの記号を用いるほか、ファゴットやチェロの高音域を書き表すのに使われる。
- バリトン記号
ハ音記号を五線の第5線に置くか、ヘ音記号を五線の第3線に置く。古くバリトンパートを表すのに使われた。
- バス記号
ヘ音記号を五線の第4線に置く。古くバスパートを表すのに使われたが、ヴァイオリン記号の次によく使われる記号である。一般にヘ音記号と言えば、この記号を指す。
- 低バス記号
ヘ音記号を五線の第5線に置く。すべての音部記号の中で最も低い音を示すのに適した記号であるが、滅多に使われることはない。
次の楽譜で、黒い全音符は中央ハ音、緑は中央ハ音のすぐ上のト音、赤は中央ハ音のすぐ下のヘ音である。
このほか、特殊な音部記号に、ト音記号の上や下に8を記してト音記号よりオクターブ高い、ないし、低い音が出ることを示したものなどがある。
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