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ジョン・ロナルド・ルーエル・トールキン (John Ronald Reuel Tolkien, 1892年1月3日 - 1973年9月2日) は、オックスフォード大学で、1925年から1945年まで古英語の、1945年から1959年まで英語及び英文学の教授を務めていた。晩年は作家でもあったが、この仕事のため有名となった。言語学への熱意から何種類もの新しい言語を創造、さらには架空の言語成立の背景として中つ国という架空の世界の創世史と歴史を練るようにまでなった。
トールキンは、その著作『ホビットの冒険』と『指輪物語』により現代のハイ・ファンタジー文学の父としてよく知られている。ほかに、『ベオウルフ』と『サー・ガウェインと緑の騎士』の研究・現代英語訳等に多大な貢献をした。文学討論グループインクリングズの会員であり、またC・S・ルイスとも親密な関係にあった。
トールキンは数多くの人工言語と架空文字のキアスとテングワールを創作した。中でもとりわけ有名なのは、『指輪物語』にも登場する二つのエルフ語、クウェニャとシンダリンである。トールキンはもともと人工言語であるエスペラント語に精通しており、修得したのは17歳の時である。トールキンは自分がエスペランティストであるとは主張しなかったけれども、その使用を促進したと言われている。
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生涯
出生地は南アフリカ共和国のブルームフォンテイン。幼くして父を失う。母は、家族の猛烈な反対を押し切ってカトリックに改宗した。十代前半のとき、母が糖尿病で他界。それ以降、トールキンは母が信仰の殉教者であったと思うようになった。この出来事はトールキン個人のカトリックへの信仰に深い影響をもたらした。
孤児院にいたころ、イーディス・ブラット(ルーシエンのモデル)と恋に落ち、多くの反対にあいながらもめでたく結婚して、人生で初めての、そして真実の愛をつかんだ。第一次世界大戦中は英国の兵士となり、ランカシャー・フュージリア連隊という戦時中最も勲章を受けた部隊に所属した。そして、軍の同僚―その多くは親友も同然だった人たち―が次々と命を落すのを目にした。トールキン自身は塹壕熱をわずらい、軍病院送りとなった。
神話と民話の研究に基き、The Book of Lost Tales と自身が称した一連のおとぎ話を書き始めたのは、この静養中のことだった。トールキン研究家は、この戦争は彼の作品に強い影響を及ぼしたと説明している。つまり、20世紀における工場、機械の乱立・乱造、銃、兵器の発達というおぞましい現実からの逃避の方法として、ファンタジーを見出したのだと。
著作
トールキンは自分の子供たちを喜ばせるために話を作ることを楽しみにしていた。毎年毎年、「サンタクロースからのクリスマスレター」をしたため、一続きのお話を添えた。これらの小話はのちに一冊の本にまとめられ、『クリスマスレター付き サンタクロースからの手紙』として出版された。
トールキンは自分の空想物語が一般人に受け入れられるとは無想だにしなかった。かつての生徒のとりなしで、1937年、『ホビットの冒険』と題された本を出版。子供向けを意図したにもかかわらず、大人にも読まれ、出版社 (Allen & Unwin) が続編の執筆を懇請するほどの人気を呼んだ。この事実はトールキンを刺激し、1954年から1955年にかけて、『ブリタニカ百科事典』が「豊かな創作」と評した[1]、かの名高い三巻の壮大な小説『指輪物語』が上梓されたのであった。この大作が書き上げられるのに、ゆうに十年が費やされたが、その間、インクリングズと親友のC・S・ルイスたちは絶えず支援を続けた。
1960年代、『指輪物語』は多くの学生たちの間で好評を博し、それ以降高い人気を保っている。その一方で、何人もの(特に北欧神話を専門とする)学者たちは、トールキンが使用した資料に感づき、この作品は古典から素材を得たものだと考えている。はじめ、トールキンは『指輪物語』を『ホビットの冒険』のような児童書にしようと考えていたけれども、書き進めるにつれ、難解で重々しい物語となっていった。『ホビットの冒険』と直に繋がる物語にも関らず、より十分に成熟した読者を対象とするようになり、また、後に『シルマリルの物語』やその他の死後出版された書籍に見られるような膨大な中つ国の歴史を背景にして描くようになった。
トールキンの小説の読者を魅了した特徴の一つは、その単純さである。中つ国には統治機関はあっても官僚制度はない。農業や手工業はあっても、現代的な経済観念はない。生活風景はあってもセックス描写はない。神々はいても、宗教はないに等しい。魔法はあっても科学はない。さらに、きわめて非現実的である。たとえば、森に覆われ農作地を持たないロスローリエンの王国が、敵地のただ中にあっていかにして食料を得ていたのか、ということにトールキンは何ら説明をしようとしない。
『指輪物語』は売上の点からも読者の評価という点からも、20世紀における最も人気の高い小説の一つとなった。そして、『指輪物語』の成功に続いて出来上がったファンタジー文学というジャンルに、多大な影響を残している。また、現在『指輪物語』を原作にした三部作の映画が撮られている(邦題『ロード・オブ・ザ・リング』)。
J.R.R.トールキンの生前に出版された作品:
クリストファー・トールキンは、その後も中つ国創造の背景資料の刊行を意欲的に続けた(ただしその多くは未邦訳)。『終わらざりし物語』(原題Unfinished Tales)(1980年)、The Letters of J. R. R. Tolkien(1981年)に始まり、エッセイ集 The Monsters and the Critics (1983年)、そして
The History of Middle-Earth シリーズ