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TeX

TeX(読み方は後述)はドナルド・クヌースにより作られた組版処理ソフトウェアである。

Table of contents
1 名称について
2 機能
3 生い立ち
4 TeX の日本語化
5 ウィキペディアとTeX

名称について

製作者であるクヌースによって以下のように要請されている。 ; 表記法: 正しくは と表記するが、それができない場合には TeX と表記する。 ; 読み方: TeX はギリシャ語の ΤΕΧ(タウ・イプシロン・カイ)であるから、「テックス」ではなく、「テッハ」と「テッカ」の中間(正しく発音すると鏡が曇る)のように発音するのが正しい。しかしそのような発音は難しいので、クヌースは「テック」と読んでも構わないとしている。しかし日本では「テック」または「テフ」という読み方が広まっている。

機能

TeX はマークアップ言語処理系であり、文章と命令が混ぜこぜに書かれたテキストファイルを読み込み、そこに書かれた命令に従って文章を組版して、組版結果を DVI 形式のファイルに書き出す。 DVI 形式というのは、装置に依存しない(='DeVice-Independent')中間形式である。 DVI ファイルには、紙面のどの位置にどの文字を配置するかといった情報が書き込まれていて、実際に紙に印刷したりディスプレイ上に表示したりするためには、DVI ファイルを解釈する別のソフトウェアが用いられる。DVI ファイルを扱うソフトウェアとして、各種のビューワや PostScript など他のページ記述言語へのトランスレータ、プリンタドライバなどが利用されている。
TeX が文字などを配置する精度は 25.4/(72.27×65536)mm (約0.000005mm)である。

TeX の扱う命令の中には、組版に直接係わる命令の他に、新しい命令を定義するための命令もある。TeX のこの機能を使ってユーザーが独自に作った命令はマクロと呼ばれ、こうした独自の改良をマクロパッケージと呼ばれる形で配布することもできる。 比較的よく知られている TeX 上のマクロパッケージには、クヌース自身による「plainTeX」やアメリカ数学協会 (AMS) による AMSTeX、一般的な文書記述に優れた「LaTeX」などがある。一般ユーザーにとっては、TeXを直接使うよりも、TeXに何らかのマクロパッケージを読み込ませたものを使うことのほうが多いので、これらのマクロパッケージをも「TeX」と呼ぶ場合があるが、本来的には誤用である。 TeX のマクロパッケージには、他に楽譜を記述する MusiXTeX や参考文献リストに使う BibTeX、OHP スライドの作成に使用する SliTeX、数学的な文書に強い AMSTeX の機能と LaTeX の機能を併せ持った AMS-LaTeX などもある。

TeX および関連するプログラム、TeX のマクロパッケージなどは、CTAN (Comprehensive TeX Archive, 包括 TeX アーカイブ)からダウンロードできる。

生い立ち

TeX は、クヌースが自身の著書 The Art of Computer Programming(邦訳:基本算法、サイエンス社)を書いたときに、組版の汚さに憤慨し、自分自身で心行くまで組版を制御するために作成したとされている。開発にあたって、伝統的な組版およびその関連技術に対する広範囲にわたる調査を行い、その調査結果を取り入れることで、TeX は商業品質の組版ができる柔軟で強力な組版システムになった。

TeX はフリーソフトウェアであり、ソースコードも公開されていて、誰でも改良を加えることができる。また、TeX は非常にバグが少ないソフトウェアとしても有名で、ジョーク好きのクヌースが、バグ発見者に対しては前回のバグ発見者の 2倍の懸賞金をかけるほどである。この賞金は小切手で払われるのだが、もらった人は記念に取っておく人ばかりなので、結局クヌースの出費はほとんど無いという。なお、TeX のバージョンアップは、3.14,3.1415, ..というように円周率の精度が上がることによって表現され、クヌースの死の時点を持ってバージョンπとして、バージョンアップを打ち切るとのことである(現在のバージョンは 3.14159)。

クヌースは、TeX の開発と同時に、TeX で利用するフォントを作成するためのシステムであるMETAFONT も開発した。 TeX および METAFONT は、これもクヌース自身によって提唱されている文芸的プログラミング (Literate Programming) を実現する WEB というシステムで、Pascal へトランスレートされることを前提に記述されている(しかし実際には WEB2C でC言語に変換してコンパイルされ実行形式を得ることが多い)。

TeX の日本語化

日本語組版処理のできる日本語版の TeX/LaTeX には、アスキーによる pTeX (pLaTeX) と、NTT の (FIXME) による NTT jTeX (NTT jLaTeX) などがある。

ウィキペディアとTeX

ウィキペディアでは、TeX の組版機能の一部を利用できる。 例えば、複雑な数式などを TeX に組版させて、結果を画像ファイルとして記事内に貼り付けることが簡単にできる。 次の例は記事内に

\\int_{0}^{\\infty} e^{-x^2} dx = \\frac{\\sqrt{\\pi}}{2}
と書いて作成した(詳しくはWikipedia:TeX記述法を参照)。
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